シムドライバーはリアルのサーキットでも勝てるのか？

HC GALLERYが所有するJP-3Sクラスに該当するZN6型のトヨタ86で参加。ENGINE Premium Clubのロゴもバッチリ目立っていた。

2024年1月の東京オートサロンHC GALLERYブースで開催された「DRiVe-Xオートサロン2024頂上決戦」。エンジン・プレミアム・クラブの会員も参加したこのヴァーチャル・レースで、みごと優勝した竹野奎太選手（プレイヤーネーム「ドリテン」）が、このほどFCR-86BRZ/富士86BRZチャレンジカップで、実戦デビューを果たした。  【写真】リアルサーキットでちょっと緊張気味？　プレイヤーネーム「ドリテン」こと、シムドライバーの竹野奎太選手 ◆リアルで乗ったのはオートマ仕様のトヨタ86 頂上決戦での優勝賞品として提供された「実戦JAFレース参戦権1戦分」の権利を使ってのもので、参戦したのは11月3日に富士スピードウェイで開催されたFCR-86BRZ/富士86BRZチャレンジカップ第3戦。使用した車両は、HC GALLERYが所有するJP-3Sクラスに該当するZN6型のトヨタ86で、86レースに参戦する車両としては珍しいオートマ仕様である。 これはHC GALLERYがオートファクトリーの協力を得て作製した改造車クラス用のマシンで、シムドライバーを中心とした実戦レース初心者や、普段からオートマの欧州車などでスポーツ走行をしてきたドライバーが、レースを楽しんで走れるようにと開発されたものだ。しかし、戦闘力の高さは証明済みで、チャレンジカップでもすでに優勝を含む複数回の表彰台を獲得している。  レースウィークは金曜日にスタート。事前練習の2枠も含め、この日は30分4枠の走行をこなした。もちろん、この練習走行も頂上決戦の優勝賞品に含まれたものだ。土曜日の公式練習は、台風の影響で練習に適したコンディションではなかったため、経験が浅い中での混乱を招かないようにという配慮から、あえてパスを選択。そのまま、日曜日の本選に臨んだ。  予選ではクラス4番手、総合8番手につけるものの、4輪脱輪のペナルティを受けて、クラス6番手、総合15番手で決勝を迎えることになった。  ◆波乱の決勝レース このレースでは唯一の参戦となった竹野選手のAT車は安定したスタートを決め、先行車に喰らいつく速さを見せて、周回ごとにその差を縮めていった。いよいよオーバーテイクというシーンで、先行車がスピン。竹野選手は間一髪で接触を回避したものの、その際の失速で別のマシンに抜かれてしまう。  一方、後方ではスピン車両に別のマシンが正面衝突する事故が起こり、結果的にセーフティカーが導入される事態となった。その後、事故車両の回収が長引き、残り3周を残してレースが再開。初めてのローリングスタートも無事に決め、残り1周のところでオーバーテイクも見せて、さらに前走車に迫ったが、残り周回数が足らず、そのままクラス6位、総合13番手でチェッカーとなった。  予選でのペナルティは本人の責任であるとはいえ、今回のレースでは決勝でのアクシデントの影響が大きく、消化不良の感がある。よって、竹野選手には、12月のFCR-86BRZ/富士86BRZチャレンジカップ第4戦に再挑戦してもらう計画が進行しているという。  その結果がどうなるかが楽しみだが、それと同時に気になるのは、2025年1月の東京オートサロンで開催される「HC GALLERYオートサロン2025頂上決戦」 に向けての予選タイムトライアルが、すでに始まっていることだ。2025年の優勝者にも、同じ賞品が用意されるという。我こそは、と思うムキはすぐに挑戦の準備をした方がいい。トライアルの期間は、12月23日まで。 全国各所でタイムトライアルへの参戦が可能だ。予約が必要になるので、急いでサイトをチェックして欲しい。東京オートサロンの頂上決戦会場で会いましょう！  文＝村上 政（ENGINE編集部） （ENGINE Web オリジナル）