イスラエル軍、レバノンのヒズボラ拠点さらに攻撃-死者500人超える
(ブルームバーグ): イスラエル軍はレバノンにある親イラン民兵組織ヒズボラの拠点をさらに空爆した。双方に多くの犠牲者が出た2006年の戦闘以来、最も大規模な攻撃となった。
レバノン当局者によると、23、24両日の空爆で子供50人を含む少なくとも558人が死亡、1800人余りが負傷した。死傷者はヒズボラの影響力が大きいレバノン南部と北東部ベカー高原に集中していた。
イスラエル軍がレバノンのヒズボラ拠点空爆、500人近く死亡
イスラエルは、ミサイルなど武器を民間人の間に隠そうしているヒズボラ部隊を標的にしたと表明。イスラエル国防軍(IDF)は24日、ベイルートへの空爆でヒズボラのミサイル・ロケット部隊のイブラヒム・ムハンマド・カビシ司令官が死亡したと発表した。ヒズボラはその後、テレグラムに投稿した声明で死亡を確認した。
ヒズボラのミサイル部隊司令官、ベイルート空爆で死亡-イスラエル軍
イスラエル軍高官1人はこれまでに、同国が空爆での軍事作戦に重点を置いていると指摘し、レバノンへの地上侵攻は必要ないだろうと示唆していた。
だが、ガラント国防相のオフィスは、レバノンでの戦闘を想定して訓練するイスラエル軍を視察する同相の写真を公開した。声明によると、同相は兵士を前に「あなた方が遭遇するヒズボラ部隊は壊滅されるだろう」と語った。また、パレスチナ自治区ガザにおけるハマスとの戦闘でイスラエル軍が強化された一方で、ヒズボラの戦闘員は弱体化していると述べた。
ニューヨークで国連総会が開かれる中、国連安全保障理事会はレバノンでの緊張の高まりについて25日夜に会合を開く予定。フランスのバロ外相は23日に国連総会で、広範囲にわたる地域紛争は「市民を中心に誰にとっても壊滅的なものになる」ため会合を呼び掛けたと説明した。
イスラエルは、外交努力が失敗したとし、約1年にわたるヒズボラのミサイルおよび無人機攻撃を阻止するために空爆は必要だと主張している。