フランスの美食観光プロジェクトを現地取材した、リヨンから「美しい村々」まで、食文化でめぐる旅
2024年3月に開催されたフランス最大の旅行商談会「ランデヴー・アン・フランス2024」では、フランス各地域観光局の主催による旅行会社向けに53の視察ツアーがおこなわれた。今回は2023年にフランス観光開発機構が日本に正式発表した3地方の広域観光プロジェクト「ヴァレ・デ・ラ・ガストロノミー(美食の渓谷)」のツアーに同行し、同プログラムに参加しているレストランや店舗を取材した。
「美食の渓谷」とは?本物の美食体験を提供
「美食の渓谷」は 、ブルゴーニュ、オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ、プロヴァンスの3地方が協同で運営する美食をテーマとしたプロモーション。フランス中部の都市ディジョンからソーヌ川、ローヌ川を南下し、地中海のマルセイユに至る地域のワイナリー、チーズ、オリーブオイル、トリュフなど高品質な食にまつわる約470の体験を提供する。地元生産者らを巻き込み、観光産業を通して地域の教育や地域産業発展を目指している。 主要なターゲット市場はヨーロッパ、アメリカ、日本など、美食に高い興味・理解を示す地域に限定。十数名規模の少人数、3地域共通のガイドラインに即した品質、高付加価値な食体験となることを重視している。現在、地域圏内の約800軒のワイナリー、95人のミシュラン星付きシェフなどが参画。食そのものを楽しむだけでなく、ワイナリー見学やテイスティング、有名料理学校での体験、チーズ工房やワイン生産者のカーヴ見学、マスタードづくり、星付きレストランのシェフと行く市場めぐりなど多彩な体験を用意している。 2023年に日本でプロジェクトが発表されてから、日本の旅行会社ではハイエンド層向け、こだわりの旅、リヨン滞在の旅などのツアー商品が造成されている。「美食の渓谷」を運営する3地方では、さらなる認知度向上と、2025年までに協賛地域の拡大・充実を目指しており、今回のプレツアーに参加した旅行会社の意見を汲み取りながら、プログラムのさらなるブラッシュアップを図っていきたい考えだ。