【精神科医が教える】「執着を手放す」となぜ心がラクになるのか?
誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになります! ● 「執着を手放す」とは? 今日は「執着を手放す」ことについてお話ししたいと思います。 これまでも「執着を手放すとラクになりますよ」というお話をしてきましたが、あらめてその意味を考えてみたいと思います。 まず、「執着を手放す」ということは、それ自体が目的ではありません。執着を手放すことによって、残るものが大切なんです。 自分にとって本当に大事なものを見極め、優先順位をつけるために執着を手放すということです。 ● 思い切って割り切る勇気 人間は欲深い生き物なので、放っておくとあれもこれも気になって執着しがちです。ところが実際には、多くのことにこだわることはできません。 本当に大事なことだけを残して、それ以外は「どうでもいい」と思い切って割り切るほうが、結果的に物事がうまくいくことが多いのです。 だからこそ、自分にとって何がいちばん大切なのかを意識することによって、それ以外の些細なこだわりを手放すことが大切です。 ● 増やせるものと増やせないもの 些細なことに執着してストレスを抱えたり、余計な労力を費やしたりするのは避けたいものです。なぜなら、増やせるものと増やせないものがあるからです。 お金は増やせても、時間はどうにも増やせません。与えられた時間は限られていて、誰にとっても1日24時間ですよね。 その限られた時間で、あることを選べば、別のことはできなくなりがち。もし、あれもこれも執着してしまうと、本当に大事なものに時間を割く余裕がなくなってしまいます。 ● 実はとても怖いこと 自分にとって大切なことを取捨選択せず、目の前のことに追われているうちに、ふと後で気づくのです。「自分にとってこれがいちばん大事だったのに、ぜんぜん時間を使えていなかった……」と。 時間を割けないということは、いずれその大事なものを失うことにもつながります。執着を手放さないままでいるのは、実はとても怖いことなんです。 ● 自分にとって何がいちばん大切か だから、「執着を手放す」というよりも、「自分にとって何がいちばん大切か」を考えることが重要です。それを定期的に自分に問いかけて、見失わないようにする。 さらに、そのいちばん大事なことに時間を使うことを忘れないでください。これが、執着を手放すことの本質です。 ※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。
精神科医 Tomy