SNSプラットフォームの境界を超える「Fediverse」はネットの未来となるか?
理想に燃えるテックオタクたちは、昔から革命的な可能性を秘めたテクノロジーに対して、ひどく紛らわしい名前を付けてきました。 Fediverseもその1つ。 これは、「連合(Federation)」と「宇宙(Universe)」を組み合わせた造語で、ソーシャルインターネットの将来の可能性を表しています。それはどのような可能性なのでしょうか。 簡単に言えば、Fediverseとは、互いに接続されたさまざまなソーシャルネットワークやプラットフォームの総称のこと。 こうしたサービスのユーザーは、ほかのどのサービスのユーザーでもフォローすることができ、投稿に「いいね」を付けたり、共有したりすることができます。 このコンセプトについて詳しく説明している記事やウェブサイトは数多くありますが、そのほとんどがすぐに専門用語だらけ。私はそういうことを避けたいので、Fediverseとは何かを、できるだけわかりやすく説明しようと思います。
電子メールは分散化されている
その前に、まず電子メールについてお話ししましょう。 私たちは、メールアドレスさえあれば、誰にでもメールを送ることができますよね。 たとえば、Gmailユーザーは、Gmailユーザーだけしかやり取りできない、というわけではありません。OutlookユーザーやYahoo Mailユーザー、さらには自宅の地下室で独自のメールサーバーを運用している人にもメッセージを送ることができます。 基本的に、メールアドレスさえあれば、誰にでもメールを送ることができ、言い方を変えると、電子メールは「分散化」されているのです。 メールを一元管理する企業や機関は存在せず、互換性のあるさまざまなメールプロバイダーが存在します。これは、メールがオープンプロトコルであり、誰でも望めばそのサービスを利用できるから。 一方、最大のソーシャルメディアネットワークは、現時点ではこのような仕組みにはなっていません。 たとえば、FacebookでXユーザーをフォローしたり、TumblrからRedditコミュニティをサブスクしたりすることはできませんよね。 そのため、こうしたウェブサイトにはすべて、ほかのウェブサイトのスクリーンショットが溢れています。それもそのはず、みんなほかのサイトの投稿を共有したいと思っていても、いい方法がないから。 Fediverseは、この問題の解決を目指しているのです。