Yahoo!メッセンジャー終了とLINEの隆盛に見るプロトコルという考え方
ライター:五味明子 Yahoo!メッセンジャーは15時をもちましてサービスを終了いたしました。これから徐々にクローズしていきます。いままでご利用いただき本当にありがとうございました!(^^)ノシ - 3月26日、Yahoo!Japanは14年に渡ってサービスを提供してきた「Yahoo!メッセンジャー」を終了させた。 これは当日、Yahoo! JAPAN PRがツイートした最後のメッセージである。デスクトップPC全盛の時代に設計され、一時期はデフォルトのインスタントメッセンジャーとしてそこそこの普及率を誇ったYahoo!メッセンジャー。とくにヤフオクのヘビーユーザなら、アラート通知の連携機能を便利に使っていた人も少なくないかもしれない。だが、今となってはそれもなつかしい昔話。サービス停止に対する大きな抵抗もなく、ひっそりと静かにインターネットサービスとしての生涯を終えた。 Yahoo!メッセンジャー終了の原因として引き合いに出されることが多いのがLINEの隆盛と、スマホの爆破的な普及である。先にも書いたがYahoo!メッセンジャーはPCでの利用を前提にしていたため、はじめからスマホとの親和性を第一に考えられたLINEとはここで大きく差がついた。加えて初回起動時の電話帳取り込み、表現力豊かで魅力的なキャラのスタンプ、そして時にはトラブルの元にもなるメッセージ横に小さく記される「既読」の文字、etc. 同じメッセージングサービスとして括るにはあまりにもYahoo!メッセンジャーは時代遅れで貧弱だった。余談だが、かつて一部のユーザに普及していたキャリアメール主体のガラケー向けデコメールもLINEによって完全に駆逐されてしまった。 ではなぜLINEはこんなにも支持される要素をメッセージングサービス - というよりももはや総合コミュニケーションツールといったほうが正確だろう - に詰め込むことができたのか。理由はいくつも考えられるが、ここではLINEが実装しているプロトコルの自由度(無法度)に注目してみたい。