タワマン価格が「一気に暴落」する日はくるのか…転売を繰り返す人々を待ち受ける「天国と地獄」
出せば完売、売れば高額。タワマンブームが終わらない。庶民は手が出せない代物なのに、いったい誰が買っているのか。バブルは弾けるのか。タワマンのいまと未来、天国と地獄を覗いてみる―。 【一覧】これはすごい…直近5年で爆騰したタワマン「ベスト120」はこちら 前編記事『タワマンの高騰がヤバすぎる…!世帯年収2000万円「パワーカップル」でも手が届かない「異常事態」』はこちらから
親子2代でタワマンを買う家族も
大方の予想を超えて、際限なく値上がりを続けているタワマンだが、ここまで高騰すると購入できる人も限られてくる。多くの日本人にとってローンを組んでも手が届かない価格にまで達した物件を、はたして誰が買っているのか。 住宅ジャーナリストの山下和之氏によれば、世帯年収が2000万円前後の「パワーカップル」に代わって増えているのが、世帯年収3000万円前後の「パワーファミリー」だ。 「夫婦どちらかが一流企業の役員や管理職であることが多く、子どもがいてすでに持ち家もある点でパワーカップルと異なります。この10年で都心の不動産は大きく値上がりしているので、5000万円のマンションが1億円になっていてもおかしくない。それを売って売却益を頭金にローンを組み、今度は1億5000万円のタワマンに住み替える家庭が増えているんです。 彼らは頭金が多くて信用度も高いため審査を通りやすく、今後タワマン購入層の中心になるかもしれません。中には売却益の一部を子ども夫婦が頭金にしてローンを組み、親子2代でタワマンを買う家族も出てきました」 たとえローンを組んで1億円の資金を用意できても、タワマンを購入するために越えるべきハードルが残されている。もはやタワマンを買うには資金力だけでなく、運や人脈までもが求められているのだ。タワマン専門の不動産会社「TOWERZ」の芝崎健一氏が解説する。 「最近のタワマン市場は完全に売り手市場で、モデルルームを見に行くことすら困難。連絡を受けてすぐに見学予約しようとしても、10分ほどでいっぱいになることも珍しくない。またタワマンによっては一般向け募集の前に、お得意様だけに通知して販売することもあります。第1期の販売開始時点で、実はもう半分近くが売れていたなんてケースも見られますね」