タワマン価格が「一気に暴落」する日はくるのか…転売を繰り返す人々を待ち受ける「天国と地獄」
タワマンバブル崩壊はいつか
どんなタワマンでも、建設すればチャイナマネーが購入してくれる―こうした期待は都心部だけにとどまらず、やがて地方にも波及していくのではないか。 「このままいけば、インバウンド人気が高い北海道のニセコや富良野にもタワマンが無数に建設されると考えられます。おそらく中国人の富裕層が購入して、セカンドハウス感覚で滞在するのではないでしょうか」(前出の榊氏) 日本中で過熱しているタワマンブームだが、最近ではさらなるプレーヤーが存在感を増している。台湾人だ。 「台湾有事のリスクを懸念する台湾の富裕層が、避難先として湾岸のタワマンを購入するケースが増えています。彼らの大半はローンを組まず、現金一括で払ってくれる。中には日本人の相手をするのをやめて、中国・台湾人専門の不動産売買にシフトした業者も出てきていますね」(都内の不動産業者) 海外からの需要を見越して「不動産」を造るタワマン商売は、いわば「究極のインバウンド産業」と化している。 まだまだ天井が見えそうにないタワマン市場だが、このバブルにもいつかは終わりが訪れる。「いつまでも上がり続けるはず」という楽天的な見通しが支えてきたタワマン価格も、一気に暴落するに違いない。 タワマン転売を繰り返す人々は、言ってみれば「ババ抜き」を遊んでいるようなものだ。ただしどのタワマンも押しなべて値上がりしている現状では、手元のカードがジョーカーかどうかわからない。バブルが弾ける直前にババを相手に渡した者は高笑いし、つかまされた敗者はむせび泣くだろう。 そんな人生を賭けたゲームを、彼らは今日も必死でプレーしている。その先に待ち受けているのは、はたして天国か、それとも地獄か。 「週刊現代」2024年11月16日・23日合併号より 【つづきを読む】『直近5年で爆騰したタワマン「ベスト120」でわかった「値上がりするタワマンの5条件」』
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