長距離輸送用のバッテリーEVトラックが間もなく登場! ダイムラー「eアクトロス600」主要コンポーネントが生産開始!!
新開発のコンポーネントと共通部品の組み合わせ
カッセル工場は従来のアクスルと電動ドライブの両方を組み立てており、グローバルに供給している。eアクトロス600向けの新型eアクスルも同様だ。 長距離輸送を想定して再設計した同機は、より高いパフォーマンスと効率を実現するため革新的な技術を盛り込んだ。そのために組み立てラインが工場に新設され、安全性に関する試験・検査用のステーションも併設した。 eアクトロス300/400とeエコニック用のeアクスルもカッセルで組み立てを行なっているが、共通部品の原則はここにも適用される。つまり、ホイールエンドやブレーキ部品などはカッセル工場が数十年にわたり製造してきたものから派生している。 非常に柔軟な組み立てラインとなっており、従来車のアクスルからBEV用のeアクスルまで、状況に応じて作り分けている。カッセル工場では全体の工程を最適化するため、各段階で調整が行なわれているが、組み立てのベースになるのがアクスルキャリアで、従来のアクスル用と同一とすることで既存車のラインに簡単に適合させることができる。 最初の段階でサスペンションやブレーキの組付けのための準備が行なわれ、ブレーキドラムなどがマウントされる。いっぽう、電動ドライブユニットの組み立てエリアでは、ガッゲナウから送られてきたトランスミッションや2基のモーターなどのコンポーネントをハウジングに取り付けて行く。 組み立ての最後はいわゆる「マリッジ」で、電動ユニットとアクスルが一つになる。センサー類や冷却用の配管、低電圧系のケーブルなどもここで取り付けられる。 カッセル工場から出荷される前にeアクスルは機械系/電気系の機能試験を徹底的に実施する。いわゆるEOL(エンド・オブ・ライン)試験で、これがプロセスの最終段階となる。ここでは高電圧系のケーブルを接続し、実際に電気を流して試験する。そして様々なシチュエーション、荷重、地形、ギア段を想定したシミュレーションを行なう。 EOL試験を通過したら、あとはヴェルト工場へ送られるのを待つだけだ。長距離輸送用の量産型BEVトラック第1号車は、2024年中にヴェルト工場で誕生する予定となっている。