BTCは10万1000ドルへ下落、アルトコインも急落──FRBのタカ派姿勢を受けて
FRBは、基準となるFF金利を25ベーシスポイント引き下げ、4.25%~4.50%とした。これは今年3回連続となる金利緩和の動きであり、9月以来、合計100ベーシスポイントの利下げとなった。 市場参加者は12月18日のFRBの動きを十分に予想していたが、最近のデータは堅調な経済成長とインフレ率の高さを示していた。このため、今後の政策行動に関するFRBの考えを探るために、18日の焦点は、政策声明、最新の経済予測、そしてパウエル議長の記者会見となっていた。 FRBが四半期ごとに発表する経済予測には、FF金利の長期的な着地点を示す「ドット·プロット」が含まれている。これによってFRBが、FF金利が2025年末までに3.9%まで低下する、つまり来年さらに50ベーシスポイントの利下げが実施されると予想していることが明らかになった。 これは9月に予想された3.4%よりも高く、2025年の金融政策がそれほどハト派的でなくなることを示している。FRBメンバーによる来年の個人消費支出(PCE)とコアPCEインフレ率の予測は、それぞれ9月の2.1%と2.2%から2.5%に上昇した。 すでに下落していたビットコイン価格は、FRBによる利下げ発表後を受けて、10万4000ドルから、パウエルFRB議長が記者会見した頃には10万1000ドル付近までさらに下落し、過去24時間では5%近い値下がりとなった。小規模トークンはさらに大きく下落し、エックス・アール・ピー、カルダノ、ライトコインは10%近い値下がり。S&P500種株価指数も18日には下落した。 FOMC(米連邦公開市場委員会)による決定後の記者会見で、パウエルFRB議長は、追加利下げのペースが緩やかになると予想されるのは、過去数カ月間のインフレ率の上昇と来年のインフレ見込みの高まりを反映したものだと述べた。 「中立的な金利に近づいていることも、今後の動きの理由である」とパウエル議長は付け加えた。 暗号資産(仮想通貨)インデックスファンドを手がけるビットワイズ(Bitwise)の欧州リサーチ責任者であるアンドレ・ドラゴシュ(Andre Dragosch)氏は、本日の発表に先立って次のようにCoinDeskに語っていた。 「今、FRBにとって最大の頭痛の種は、FRBが金利を引き下げたにもかかわらず、金融情勢が依然として引き締まっているという事実だと考えている。長期の債券利回りと住宅ローン金利は9月以降上昇しており、ドル高も金融情勢の引き締まりを示唆している」 「ドル高の継続は、ビットコインや他の暗号資産にとって不利になりがちな世界的なマネーサプライの縮小とも関連しているため、ビットコインにとってマクロリスクにもなる」とドラゴシュ氏は付け加え、次のように続けた。 「実際、FRBの純流動性は減少し続けている。流動性の逼迫とドル高も、ビットコインにとっては最大のリスクだろう… 一方で、オンチェーンの要素は引き続き、ビットコインによって非常に有利である。特に、ビットコインの供給不足が引き続き激化しているという仮説を裏付ける、取引所残高の継続的な減少が見られる」 |翻訳・編集:山口晶子|画像:ジェローム・パウエルFRB議長(Senate Banking Committee)|原文:Bitcoin Slips to $101K, Altcoins Spiraling on Federal Reserve's Hawkish Tone
CoinDesk Japan 編集部