アクセンチュア予測「生成AI4つの革命」、労働の4割超と生活が激変するワケ
生成AI「業界全体の労働時間の44%が影響」の衝撃
前述までの変革の流れを受けて、すべての業界において生成AIによる価値を最大化するためには、ビジネス(バリューチェーン・ビジネスプロセス・システムなど)を再構築する必要がある。具体的に、各業界に対してどの程度の影響がありえるのか、アクセンチュアのリサーチ結果を紹介しよう。 業界全体の労働時間の44%がLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)の影響を大きく受ける可能性がある。そのうち、25%が大きく自動化(automation)され、19%が大きく強化(augmentation)される。証券・保険・銀行といった金融サービスや、ソフトウェアやプラットフォーム、通信やメディア、公共事業といった業界は言語タスクの割合が非常に高く、LLMによる影響も非常に大きい。証券においては76%と実に3/4が大きな影響を受けるというすさまじいポテンシャルである。 一方で、エネルギー(石油)・電力・ガス・水道・化学・天然資源などのリソース系や、消費財といった業界については、言語タスクの割合が比較的小さく、LLMの影響も上位の業界と比較するとそれほど大きくはない。しかし、一番影響の小さな消費財業界においても、4分の1以上の27%については大きな影響がある。なお、このリサーチは言語によるやり取りのみを前提にして影響を数値化している。 生成AIは言語だけでなく画像や音声などマルチモーダル化が進んでおり、生成AIによる影響という観点では上記の試算は過少に算出されている可能性がある。いずれにせよ、業界への影響の大きさはとてつもなく大きく、地殻変動級といっても過言ではないだろう。 なお、書籍『生成AI時代の「超」仕事術大全』の中では、2021年のデータに基づき米国における労働時間の40%が大きな影響を受けるというリサーチ結果を出していたが、図2は2022年のデータに基づく日本における労働時間への影響のリサーチ結果である。