大重量でも安定飛行想定…監視用の双胴ドローン、スペースエンタメラボが開発へ
スペースエンターテインメントラボラトリー(福島県南相馬市、金田政太社長)は、飛行艇型飛行ロボット(ドローン)で艇体が二つの新機種を開発する。艇体を現在の単胴でなく、双胴にすることで荷物を積んだ時の飛行安定性が増し、大重量の超高精度大型カメラや自律型無人潜水艇(UUV)なども搭載可能になる。防衛省や海上保安庁などの受注を念頭に2027年度までの開発を目指す。 スペースエンターテインメントラボラトリーは、翼幅が約3メートルで2時間飛べる「HAMADORI3000」と、翼幅6メートルで8時間飛べる「同6000」を開発済み。ともに単胴型で、同6000は排他的経済水域での監視などの活用を想定する。 排他的経済水域の監視業務では証拠映像を撮るため、大型カメラの搭載能力が求められる。単胴型だと離着水時に艇体が水面に接触するためカメラなどを搭載できない。翼下に吊り下げても左右の飛行安定性が崩れるために、「左翼にカメラ機器を吊り下げたら右翼に同重量の重りを搭載しなければならず、搭載能力は実質的に半分に落ちる」(金田社長)という。 開発する双胴型は中央の艇体をなくし、中心線上に荷物を積むことで寸法の制約があった大型カメラやUUVも搭載できる。飛行艇型のため水面があれば発着でき、四方を海に囲まれた日本の警戒監視業務で実用性が増す。 現在、翼幅3メートルの試作機で実証中。25年度以降は同6メートル、さらに同14メートルの大型機で実証し、エンジン出力も高めて搭載能力300キログラムを目指す。