トヨタが予選ワン・ツー。今季初ポール獲得に「格別の気分」と小林可夢偉/WECサンパウロ
7月13日、ブラジル・サンパウロのインテルラゴス・サーキットでWEC世界耐久選手権第5戦『サンパウロ6時間』の予選とハイパーポールが行われた。シリーズのトップカテゴリーであるハイパーカークラスに参戦しているTOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、7号車と8号車の両トヨタGR010ハイブリッドがそろってハイパーポールに進出し、小林可夢偉がドライブした7号車がポールポジションを獲得。僚友8号車が2番手につけ、最前列グリッドを独占する結果を得た。 【写真】怪我でル・マンを欠場したマイク・コンウェイは、このブラジル戦で7号車トヨタに復帰している 前日の12日金曜に開幕したWECサンパウロ。シリーズとともに10年ぶりにブラジルを訪れたTGRチームは、レースウイーク初日の2回のプラクティスと予選日のプラクティス3の計4時間を利用し、GR010ハイブリッドを1周4.309kmのインテルラゴスに最適化させる作業を終えた。 FP3後に迎えた予選は、マイク・コンウェイ/可夢偉/ニック・デ・フリース組7号車が3番手、セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組の8号車はブエミのタイムアタックで7番手タイムを記録し19台中、上位10台のみが出走するハイパーポールに両車そろって進出を果たす。 予選より2分短い10分間のハイパーポールでは、可夢偉駆る7号車が最初のアタックから1分23秒140という圧倒的なベストタイムをマークしてトップに立つと、ブエミも2度目のアタックで1分23秒262の好タイムを記録。8号車を2番手に押し上げることに成功する。 チームの全員がセッション終了を緊迫した面持ちで待った後、TGRは2024年シーズン初となるポールポジションを獲得するとともに、昨季最終戦バーレーン以来となるフロントロウ独占を達成した。この結果TGR7号車のドライバーは、シリーズポイント1点加算し、ランキング首位につける6号車ポルシェのメンバーとのギャップを11ポイントに減らした。また、現在ランキング3位につけているマニュファクチャラー選手権でも、首位ポルシェとの差を戦前の17ポイントから16ポイントとしている。 「チームとして最高の結果である、予選ワン・ツーを達成できました」と語るのは、7号車のドライバーとチーム代表を兼務するの可夢偉。 「私もセブも、本当に楽しんで走ることができました。我々のGR010ハイブリッドは本当に素晴らしいクルマで、とくにこのインテルラゴスのような最高のコースで走らせるのはとても楽しいです」 「今シーズンはハイパーカー間の争いが本当に僅差なので、予選では苦戦することもありましたが、ようやくポールポジションを獲得でき、格別の気分です。ル・マンのあと、チームはこのレースへ向けて本当に頑張ってくれました。彼らおよびTGRのスタッフ全員、そしてここ、インテルラゴスで応援してくれたファンの皆さまにも感謝します」 可夢偉に次ぐ2番手タイムを記録したブエミも、今大会の予選とハイパーポールをエンジョイしたようだ。「とても楽しかった。予選アタックを担当したのは久しぶりで、その機会をもらえたことは良かったし、今日の結果にも本当に満足している」と彼は語った。 「昨年以来の予選ワン・ツーはチームの素晴らしいパフォーマンスによるものだ。まだ予選が終わったばかりで、これから長い決勝レ-スが待っているが、まずは良いポジションからスタートすることができる」 また、ブエミは「明日は7号車の勝利を助け、チームとしてマニュファクチャラーズ選手権のポイントを獲得できればと思っている」と姉妹車のサポートを買って出る姿勢を示した。 2014年以来、10年ぶりに行われているWECブラジル・ラウンド。その決勝6時間レースは、14日日曜の現地11時30分(日本時間23時30分)にスタートが切られる予定だ。 [オートスポーツweb 2024年07月14日]