DeNA・佐野恵太、3年6億でサイン 「思ったより悩まなかった」FA行使せず残留
DeNA・佐野恵太外野手(30)が16日、横浜市の球団事務所で契約交渉に臨み、来季から出来高払いを含む年俸総額6億円規模の3年契約を結んだ。3年目は変動制。今季取得した国内フリーエージェント(FA)の権利を行使せずに残留しており、チームへの愛着をにじませるとともに、定位置争いに闘志を燃やした。 胸を占めるのはレギュラー争いへの意欲だ。来季の目標を問われると、佐野は自身を客観視しながら口を開いた。 「レギュラーをつかむというところをしっかり考えて、その後に数字がついてくればいい」 今季はチーム最多の139試合に出場したが、日本シリーズは全6試合のうち最後の2戦で先発を外れた。外野陣は機動力のある3年目の梶原が台頭し、1年目の度会も潜在能力を発揮。日本シリーズで左翼を守った実績十分の筒香は、勝負強い打撃で日本一に貢献した。 筒香らと定位置を争う佐野は「日本一になってうれしい気持ちがもちろん大きいけど、それと同じくらいスタメン落ちした悔しさを持っている」と心境を吐露した。日本一から間もなく国際大会「プレミア12」で初めて日の丸を背負ってなお、向上心は尽きない。 来季が9年目の30歳は「現状維持だと厳しい世界だと思ってここまでやってきた。もっとうまくなりたい」と貪欲に語った。オフは岡山・倉敷市で同僚の山本、知野と合同トレーニングに励み、来たるべき競争に備える。 国内FAの権利を行使せずに残留し、出来高払いを含む年俸総額6億円規模の3年契約を結んだ。今季限りで退団した大和から2022年の最多安打を祝して贈られたスーツを着て会見に臨み、公私で世話になった先輩に感謝を示した。 「(FAは)思ったより悩まなかった。ベイスターズのユニホームを着て活躍することで恩返ししたい」。その言動に、チームへの愛着と来季への覚悟がにじんだ。(鈴木智紘)