東京五輪1年延期で豪州、韓国サッカー界が「24歳以下」へ年齢制限変更を要求する中、日本サッカー協会の対応は?
今夏に予定されていた東京五輪の1年程度の延期決定に伴い、注目を集めている男子サッカー競技の年齢制限問題に関して、日本サッカー協会(JFA)は事態の推移を静観する方針を取っている。 JFAは29日に2020年度の定時評議員会をウェブ会議形式で開催。新型コロナウイルスに感染して入院している、田嶋幸三会長の3選を含めた人事案などが承認されたことを受けて、新体制による理事会を同じくウェブ形式で開催。終了後に須原清貴専務理事によるオンライン形式のメディアブリーフィングが行われたなかで、東京五輪の年齢制限問題に対する質問も飛んだ。 「年齢制限については非常に重要な問題で、みなさんがご関心をもっているように、私自身も大きな関心をもっています。ただ、現時点では不確定要素が非常に多いなかで、なおかつ私たちとしてもコントロールが及ばないところで、さまざまなディスカッションが進んでいる状況です」 海外を中心に報道レベルや、非公式あるいは憶測レベルで飛び交っている情報を自らも把握していると須原専務理事は答えた。そのうえで国際サッカー連盟(FIFA)や国際オリンピック委員会(IOC)、あるいは大会組織委員会が正式なコメントをまだ発表していない状況と、延期が決まった東京五輪・パラリンピックそのものの代替日程が決まっていない状況とを受けてこんな言葉を紡いでいる。 「私たちとしても何ら前へ進むことができない、何も決めることができないのが実情です。ただ、最終的にはFIFAが決めることであり、あるいはFIFAがIOCなどと協議をしながら決めることなので、協議の進ちょく状況をしっかりと、丁寧に見守っていきたいというところです」 五輪の男子サッカー競技には1992年のバルセロナ大会から、開催年に満23歳になる選手までが出場できる年齢制限が設けられている。プロ選手の全面的な参加を望むIOCと、4年に一度のワールドカップとの完全なる差別化を図りたいFIFAが長く対立。妥協の産物としてU-17、U-20の両ワールドカップに続く「23歳以下の世界大会」として、五輪が位置づけられる形に落ち着いた。 再びIOCが要望し、折衝を重ねた結果として、1996年のアトランタ大会からは年齢制限の適用外となる、いわゆるオーバーエイジと呼ばれる選手を3人まで招集できるルールが追加された。シドニー、アテネ、北京、ロンドン、リオデジャネイロと五輪が行われてきたなかで、迎えた東京五輪の出場資格は規約では「1997年1月1日以降に生まれた選手」と定められている。