東京五輪1年延期で豪州、韓国サッカー界が「24歳以下」へ年齢制限変更を要求する中、日本サッカー協会の対応は?
しかし、規約のなかに実は「23歳以下」という文言は記されていない。これをもって東京五輪が2021年に延期される場合でも、1997年生まれの24歳の選手でも問題なく出場できるとする声もあれば、疫病の蔓延に伴う史上初の延期という事態がまったく想定されていなかったという見方もある。 要は2020年で満23歳になるという前提のもとで、出場資格をもつ選手の誕生日が「1997年1月1日以降」に定められた。そう考えた場合、2021年への延期で1997年生まれの選手が出場資格を失うとして最初に行動を起こしたのが、東京五輪出場を決めているU-23オーストラリア代表だった。 フル代表の指揮官も兼任するグラハム・アーノルド監督は、予選突破に貢献した選手が本大会の舞台に立つべきだと地元のメディアに持論を展開。東京五輪・パラリンピックの調整委員長を務める、オーストラリア出身のIOCのジョン・ダウリング・コーツ副会長とも話し合いの場をもった。 東京五輪のアジア最終予選を兼ねた、1月のAFC・U-23選手権を制したU-23韓国代表も、チームの主軸を担った1997年生まれの選手たちの心情に配慮。不可抗力的な理由で本来出場できる選手たちのチャンスが奪われるのは、不公平だとする公式文書をFIFAおよびIOCへ送っている。 東京五輪の延期が決まった直後という慌ただしい状況もあって、サッカーを含めた各競技の動きはまだ表立っていない。ゆえに男子サッカーに設けられている年齢制限に対する扱いも不透明な状況だと言わざるをえないが、実際に1997年に生まれた選手たちは複雑な思いを抱いている。 「中止でないことが今この段階で知れたことは選手としては幸いであり、難しい決定を下して頂いた方々、それを可能にさせた皆さんに感謝申し上げます」(原文のまま) 延期が決まった翌日の今月25日に、自身のインスタグラムへこんな文面を投稿したのは、東京五輪世代となるU-21代表やU-22代表でキャプテンを担ってきたMF中山雄太(PECズヴォレ)だ。