がん治療の変革で世界に貢献 奥沢宏幸・第一三共社長
直近では中南米のコロンビアやメキシコに営業拠点を設け、世界で展開する国や地域の数は32となっています。マーケティングや販売拠点となり、機能や組織の拡充をしています。開発のパイプラインでも、グローバルな臨床開発を進めるために、欧米を中心にアグレッシブに増員しています。 (Interviewer:岩崎誠・週刊エコノミスト編集長/構成:荒木涼子・編集部) ◇横顔 Q これまで仕事でピンチだったことは A 2008年のインドの製薬会社買収で実務メンバーとして軌道に乗せようと努力しましたが、まったく実現せずに撤退しました。ビジネスパーソンとしても大きな挫折でした。 Q 「好きな本」は A ヤマト運輸育ての親の名を冠した『小倉昌男 経営学』です。サービスが先、利益が後という言葉で社員を導き、大成功させていて尊敬しています。 Q 休日の過ごし方 A 還暦で始めたゴルフで気分転換と体力の維持増進を心掛けています。 ==================== 事業内容:医薬品の研究開発、製造、販売 本社所在地:東京都中央区 設立:2005年9月 資本金:500億円 従業員数:1万8726人(24年3月末現在、連結) 業績(24年3月期〈IFRS〉、連結) 売上高:1兆6016億円 営業利益:2115億円 ==================== おくざわ・ひろゆき 1962年生まれ、埼玉県出身。県立熊谷高校卒、一橋大学社会学部卒業。86年三共(現第一三共)入社。アジア、中南米諸国などの新興国の地域医療貢献を目的とした事業部長やプレジデントを経て、21年常務、22年専務、23年より社長兼COO(最高執行責任者)。62歳。