「食欲がない」「ドカ食い」という真逆の状態、実はどちらも<同じ原因>だった?中医学専門家「異常な食欲があるときに確認してほしいことは…」
強いストレスや緊張を感じると、「胃がキリキリと痛む」「つい暴飲暴食してしまう」「お腹をくだしてしまう」という方もいるのではないでしょうか。メンタル不調と密接に関係する<胃腸>について、漢方コンサルタントの櫻井大典さんは「じつは多くの現代人が、知らず知らずのうちに胃腸を冷やし、負担をかけてしまう食事と生活をしている」と指摘していて――。そこで今回は、櫻井さんの著書『胃腸をあたためると心の不調が消える: 心も体も自然と元気になる食事と暮らし』から、心と体が元気になるコツを一部ご紹介します。 【書影】弱ったメンタルを強くするために、胃腸をあたためて元気にする食事と暮らしをご紹介。櫻井大典『胃腸をあたためると心の不調が消える: 心も体も自然と元気になる食事と暮らし』 * * * * * * * ◆「最近、食欲がわかないな」は、心と体からの危険信号 「食欲がわかない」「ご飯がおいしいと思えない」といった状態が続いているなら、そのままにしないでできるだけ早く対処しましょう。 食欲がないということは、心と体からの危険信号です。 しかし、食欲がないことを自覚できていない場合もあります。 たとえば、「食べようと思えば食べられるけど、“食べたい!”という欲はそんなにない」「食事どきになっても、食べたいものが思い浮かばない」。 そんなことが当たり前になっていないでしょうか。 食べてはいるので気づきにくいのですが、それは食欲がなくなった状態です。 健康な場合の食欲とは、「あーお腹減ったな、お昼は**を食べよう!」と食べたいものが思い浮かび、おいしいと感じながら食べられるものだからです。
◆強いストレスを感じると… 強いストレスを感じると、まず胃腸が弱ります。 胃腸の働きが悪くなるため食欲がわかず、食べてもうまく消化吸収ができません。 すると、体を動かすための気血水(き・けつ・すい/中医学の考えで人の体と心を支える重要な3要素)が十分に作れず、不足していきます。 その状態が続くと気血水の不足でさらに胃腸の働きが悪くなり、メンタルも不調から抜け出せなくなります。 ですから、早めに対処して、負のループから抜け出す必要があるのです。 私も仕事のことなどでストレスを抱えすぎると、空腹を感じない、食べても味がしない、胃がつまっている感じがする、などの症状が出ます。 こういう状態がたまに起こるのであれば、食欲がわくまで1~2食抜いて様子を見ても構いません。 しかし、それでも食欲が回復せず、食べられない日が何日も続くようなら、専門家への相談も必要です。 また、あまりお腹が空かないからといって、お菓子を食事代わりにするのはやめましょう。お菓子では、心と体に必要な栄養は満たされません。 まずは、おかゆか重湯を食べてみましょう。体が甘さを求めている場合には、焼きいもや干しいもを食べるといいですよ。