「食欲がない」「ドカ食い」という真逆の状態、実はどちらも<同じ原因>だった?中医学専門家「異常な食欲があるときに確認してほしいことは…」
◆ドカ食いしてしまうのも、実は胃腸の弱りが原因 「ストレスでめちゃくちゃ食べちゃった……」という経験、ありませんか? “食欲がない”は胃腸の弱りの典型的な症状ですが、実はこの真逆の“ドカ食いしてしまう”も、中医学では胃腸の弱りが原因と考えます。 暴飲暴食は胃腸を弱らせますが、逆に、先に胃腸が弱った結果、暴飲暴食してしまうこともあるのです。 なぜそんな状態になるのか、簡単に説明しましょう。 ストレスが強くかかると、胃の消化機能が異常に亢進する場合があるのです。 胃が興奮して、テンションが上がりすぎているようなイメージです。この状態になると、本来の食欲ではなく、ニセの食欲がわき起こってしまいます。 ストレスや怒りは、その強い感情が“熱”を生みます。カッカするという表現がありますが、まさにそんな感じ。 その状態が続くと、体内に熱がこもり、自分では制御できなくなります。この熱が胃に溜まり、胃が興奮状態になると、食べても食べても満足できなくなってしまうのです。 私もこの状態になったことがありますが、胃が正常ではないため、普段なら毎食は求めないようなもの、甘いものや辛いもの、脂っこいものばかり食べたくなります。 また、胃の熱によって胃の中が乾いてしまうので、冷たいものも欲します。
◆悪循環を断ち切るには ニセの食欲にまかせてそのまま食べ続けると、当然、胃腸にダメージを与えることになりますし、胃腸が弱るとさらにメンタルも弱ります。 この悪循環を断ち切るには、胃の熱を鎮めて潤いを補い、落ち着かせないと治まりません。 熱を鎮める働きのある緑茶を飲んだり、3日間くらいおかゆだけにするなどして、まずは胃を落ち着かせましょう。 「すごく食欲があるから、胃腸は元気」は、勘違いかもしれません。 異常な食欲があるときは、ストレスや怒りを溜め込んでいないかを確認してみてください。 ※本稿は、『胃腸をあたためると心の不調が消える: 心も体も自然と元気になる食事と暮らし』(Gakken)の一部を再編集したものです。
櫻井大典