「敵国の言葉なぜ学ぶの?」逆境の中でロシア語専攻の道を選んだ学生に聞いてみた ウクライナ侵攻開始時には高校生、周囲から冷たい反応も
菊田 平和につながる一番の道具である対話を諦め、人を殺して解決しようとする最悪の選択肢を取ったのが悲しいです。多くの戦争を経験し、大切な人を失い、武力で解決することはだめだと学んだはずなのに…。今の時代でこういうことが起きてしまったことがショックです。 土井 戦争がロシア国民の意思なのかが分からないので、すぐに指導者と国民の両方が悪いとは言えないと思います。ただ国民も戦争に賛成しているのであれば、それが本当に解決手段になるのか考え直してほしい。国民が国のすることを悪く言えない雰囲気なのかもしれませんが、その状況も問題だと思います。 下野江 この時代に侵攻で他国の領土を奪おうしているロシアの行為は悪いと思います。ただ報道されている通り本当にロシアだけが悪いのだろうか、と思うこともあります。でも自分は世界情勢に関する知識がないので、分からないです。 ―戦争が2年も続いています。 福田 戦争が長引けば長引くほど、国はどんどん荒廃していくと習ったことがあります。ウクライナが支援を受けて戦っているけど、支援する側も疲れてしまい、多くの国民が亡くなってしまっている状況です。事態が好転してほしいですが、なかなか難しいのだろうなと思っています。
菊田 1学生があれこれ言えることではないと思いますが、早く終わることをただただ願うばかりです。 土井 本当にロシア人がこれで良いと持っているのかが知りたいです。終わった後にどうなるかが全く想像がつかないのが、怖い…。終わったとしてもロシアに留学に行って大丈夫なのかな、と思ってしまいます。 ―ロシア語を将来どう生かしたいですか? 福田 仕事で使えたらもちろんいいですが、現地のロシア人やロシア語話者の人たちと交流したり、旅行したりする時に話せたら、もっと深く彼らの人となりや、文化を知れるんじゃないかと思っています。 菊田 将来は外交官になりたいです。戦争でロシアのイメージは悪くなり、北方領土問題も解決しにくくなっています。日本からの非難の目は厳しいですが、日ロをつなぐ架け橋となり両国の関係を発展させたいです。 土井 戦後の復興にはロシアもウクライナも経済的なサポートが不可欠だと思っています。ウクライナでも大半の人がロシア語を話せると聞いたので、民間企業に就職し、ウクライナとロシアの両方を助けられる人になりたいです。