「ネットで情報追う人」に伝えたい“新聞のススメ”。SNS全盛期だからこそ紙の新聞の重要性高まる
多くの人がスマホを使い、SNSを通して情報を得る現代社会。しかし、そんなときだからこそスマホから離れて、新聞を読む重要性は高まっています。『新聞のススメ』を上梓した、元日経新聞編集委員で経済コラムニストの高井宏章さんが、新聞の読み方を解説します。 【写真】『新聞のススメ 1日15分でつくる教養の土台 』(高井 宏章)では今こそ伝えたい新聞の読み方を解説 今どき、大半の人にとって情報を得るときのいちばんのツールはスマホでしょう。しかし、ネット全盛だからこそ、あえて言いたいのです。いま最強のメディアは「紙の新聞」です。新聞を読むだけでビジネスの現場や就活で勝てる時代が来ています。
■情報収集の2つのポイント メディアを通じた情報収集には2つの大事なポイントがあります。 1つ目は網羅性。「大事なことを取りこぼさない」です。学生だろうがビジネスパーソンだろうが、世の中には「これくらいは知っておかないと」という常識、教養があります。そこを共有しないと話になりません。 2つ目は差別化です。「誰も知らない」とまで行かなくても、「知っている人が少数派」というところまで知識レベルを深めないと、日々の会話やビジネスの発想でも独自色を出すことは難しいです。「良いメディア」とは、この2つを効率よくカバーできる情報取得元と考えてよいでしょう。
網羅性で新聞が優れているのは想像にかたくないでしょう。私が28年間勤めた日本経済新聞は経済に特化した媒体ですが、政治や国際情勢から文化やスポーツ、事件・芸能関連まで幅広くカバーしています。 柔らかい話題は少なめなので「これだけでOK」とはいかないけれど、「これくらいは知っておかないと」をかなり押さえられます。 そしてネット全盛だからこそ、もう1つのポイントの差別化においても、紙の新聞は優位性を持っています。なぜなら「もう、ほとんど読まれていないから」です。特に若い人たちは、新聞を読むだけで、同世代の中で少数派になれる=差別化ができる時代になっています。