果たして西野流の急造3バックは機能するのか?
ワールドカップ・ロシア大会へ向けた日本代表の壮行試合となるガーナ代表戦が、今日30日夜、日産スタジアムでキックオフされる。4月に慌ただしく船出した西野ジャパンの初陣であり、一夜明けた31日の午後4時からは6大会連続6度目の大舞台へ臨む23人の代表メンバーが発表される。 ファンやサポーターへのお披露目となり、現状の26人から絞り込む最終選考でもある一戦へ、西野朗新監督は3バックで臨む青写真を描いている。21日から千葉県内でスタートさせた合宿では、全員が顔をそろえるのを待ったうえで、26日から急ピッチで新戦術を浸透させてきた。 選手たちとのコミュニケーションや信頼関係がやや薄らいできた、という理由で4月7日に電撃解任されたヴァイッド・ハリルホジッチ前監督は、2015年3月の初陣から約3年間、トータルで38試合にわたって4バックで戦ってきた。 日本代表が3バックで戦ったのは、アルベルト・ザッケローニ監督に率いられた2013年10月のベラルーシ代表戦までさかのぼる。後半開始直後に4バックからシフトしたものの、上手く機能しなかったこともあって、終了間際に再び4バックへ戻している。 ロシア大会の開幕を直前に控えた状況で、5年間近い封印をあえて解いて3バック導入に着手した背景には、6月19日のグループリーグ初戦で対峙する難敵コロンビア代表対策がある。 コロンビアの最前線では前回ブラジル大会の得点王ハメス・ロドリゲス(バイエルン・ミュンヘン)と、左ひざの大けがから復活したラダメル・ファルカオ(モナコ)が脅威となる。ワールドクラスの点取り屋2人に対して2人のセンターバックで臨めば、それこそ異次元のストレスを強いられる。 一転して中央にリベロを配置する3バックで対峙すれば、数的優位を作れる意味で理にかなう。しかし、だからと言って西野監督が思い描く3バックがイコール、守備的とは限らない。浦和レッズでも3バックの左ストッパーを務める槙野智章は、攻撃重視の戦術だと指摘する。 「点を取りにいきたい、ポゼッションをしたいという意味で、中盤と前線の選手のところでできるだけ攻撃に厚みを加えたいシステムのひとつだと思っています」