J1とJ2クラブが狙う? J3で輝く若き逸材10人。恐怖と希望の移籍市場、夏の“個人昇格”はあるのか?
初先発で衝撃のJ初ゴール! U-18日本代表候補に選出された逸材
MF:横山夢樹(よこやま・ゆめき) 所属クラブ:FC今治 生年月日:2005年9月23日(18歳) 2024リーグ戦成績:16試合3得点2アシスト FC今治でプレーする高卒ルーキーの横山夢樹はJ3で活躍している10代の逸材だ。父親は横浜FCなどでプレーした横山博敏氏、実兄はサガン鳥栖でプレーする横山歩夢とサッカー一家に生まれた。横山は帝京高校から2023年の特別指定選手を経て、翌年に今治へ正式加入となった。 特別指定選手に登録されていた昨季は出場なしに終わったが、今季は順調に出場機会を重ねている。Jリーグデビューは今年3月3日に行われた第2節のツエーゲン金沢戦。続く第3節のアスルクラロ沼津戦は出番なしに終わったが、第4節のY.S.C.C.横浜戦でプロ初先発を飾ると、左サイドからのドリブルで局面を打開し、ペナルティエリアの左角から放たれた綺麗な弧を描いた右足のシュートはゴール右に吸い込まれた。Jリーグ初先発で初ゴールと衝撃を与えたのは間違いない。 その後は先発を外れる機会もあったが、直近3試合はスタメン出場で2試合連続ゴールと好調。ここまでリーグ戦16試合で3得点2アシストを記録している。現在2位とJ2自動昇格圏内にいるチームの中心選手と言える活躍をしている。 2023年にU-18日本代表候補に選出された逸材の横山4の最大の特徴は快速ドリブルだ。一瞬で相手を置き去りにすることができ、持ち前の決定力でゴールを決める。相手に囲まれても、細かいボールタッチで打開することができるのも武器だ。今治が昇格するためにも、横山の活躍が必要となりそうだ。
無名からJFLを経験して主力の座を掴んだウインガー
MF:村越凱光(むらこし・かいが) 所属クラブ:松本山雅FC 生年月日:2001年10月7日(22歳) 2024リーグ戦成績:21試合4得点1アシスト 村越凱光は福岡県の飯塚高校から当時J2だった松本山雅FCへ2020年に加入。2020年12月6日のアルビレックス新潟戦でJリーグデビューを果たすも、その後はなかなか出場機会に恵まれず、2022年6月に日本フットボールリーグ(JFL)のラインメール青森へ育成型期限付き移籍となった。 2022シーズンのJFLでは16試合に出場し、3得点を記録。翌年から松本へ復帰を果たすと、2023シーズンから出場機会が増えることになる。同シーズン開幕戦の奈良クラブ戦で途中出場を果たした村越は、1点リードの84分に左足で巧みなシュートを決めて、Jリーグ初ゴールを記録した。 J初ゴールから徐々に出場機会が増えたが、退場による出場停止と怪我が重なり、一時チームから離れることに。それでも、復帰後もスタメンに名を連ね、2023シーズンは主力に定着。31試合に出場して6得点1アシストを記録した。今季はここまでリーグ戦21試合に出場し、4ゴール1アシストを記録している。ここ2試合は途中出場が続いているが、ここからの復調に期待したい。 村越は全国大会の出場歴やトレセンなどの選抜チームに選ばれた経歴もなく、当時無名の飯塚高校から松本に加入。徐々に実力をつけて、今Jリーグの舞台に立っている。村越の特徴はアグレッシブな仕掛けと推進力で、対人の強さもあり、鋭いドリブルからチャンスを演出する。ウイングで起用されることが多い村越はサイドから積極的に仕掛け、自らゴールを奪うことができる選手だ。無名からJFL、J3を経験した22歳はこれからどんな成長を見せるのだろうか。