J1とJ2クラブが狙う? J3で輝く若き逸材10人。恐怖と希望の移籍市場、夏の“個人昇格”はあるのか?
Jリーグデビューは最高の幕開け! 無尽蔵のスタミナが武器のアタッカー
MF:伊藤恵亮(いとう・けいすけ) 所属クラブ:SC相模原 生年月日:2001年2月4日(23歳) 2024リーグ戦成績:15試合4得点2アシスト 東海大学出身のMF伊藤恵亮は特別指定選手を経て、2023シーズンにSC相模原へ正式加入。9月11日に行われた2022シーズンの第24節Y.S.C.C.横浜戦で途中出場となり、Jリーグデビューを果たすと、強烈なグラウンダーのシュートを決めてJリーグ初ゴールを決めた。Jリーグデビューを輝かしく飾った伊藤だが、このシーズンは2試合の出場に留まると、翌シーズンも出場機会に恵まれることはなかった。2023年8月に当時関東サッカーリーグ1部の栃木シティFCへ期限付き移籍となった。 今季から相模原に復帰となった伊藤はシーズン序盤はベンチ外が続いた。それでも第10節の福島ユナイテッドFC戦以降は主力に定着している。2トップの一角としてプレーすることが多く、今季はここまでリーグ戦15試合に出場し、4ゴール2アシストを記録。プロ2年目で着実に成長している。 伊藤は90分間走り続けることができるスタミナとテクニックに裏打ちされた高精度のパス能力を身につけている。前線からの積極的な守備から一気に攻撃へのスイッチを入れ、ゴールに直結するプレーをすることができるのも特徴だ。前線からのプレスで圧を掛けるシュタルフ悠紀リヒャルト監督の戦術には最適なセンターフォワードだ。
プロ1年目から主力に定着! 名門大学の背番号10を背負った男
MF:高橋馨希(たかはし・よしき) 所属クラブ:カターレ富山 生年月日:2001年6月16日(23歳) 2024リーグ戦成績:23試合3得点0アシスト 高橋馨希は法政大学4年の2023年5月に、翌シーズンからのカターレ富山加入と2023年の特別指定選手承認が発表された。そして、2023年7月15日のJ3第18節FC琉球戦で早くもスタメンに名を連ね、Jリーグデビューを果たすと、決勝ゴールをアシストしていきなりチームの勝利に貢献した。同年8月5日のFC今治戦ではJリーグ初ゴールを記録し、このシーズンは6試合に出場し1ゴール1アシストという結果を残した。 特別指定選手登録の昨季から結果を残した高橋は、今季開幕からスタメンに定着。天皇杯2回戦のヴィッセル神戸戦以外全ての公式戦に出場し、ここまで29試合で4ゴールを挙げている。JリーグYBCルヴァンカップでは清水エスパルス、北海道コンサドーレ札幌、神戸といったJ1やJ2の強豪との試合にも出場し、成長を見せている。 名門・法政大学で背番号10を背負っていた高橋の特徴はドリブルと正確無比のキックだ。富山ですでに中心選手として活躍し、セットプレーのキッカーも任されることもある。堅守速攻がスタイルの富山では、同選手のドリブルとキックは武器となる。富山は毎年後半戦に失速する傾向があり、J2昇格を逃している。J2昇格を目指す富山にとって、後半戦の鍵を握るのはこの選手かもしれない。