J1とJ2クラブが狙う? J3で輝く若き逸材10人。恐怖と希望の移籍市場、夏の“個人昇格”はあるのか?
J1→JFLクラブを経験して成長したウインガー
FW:津久井匠海(つくい・たくみ) 所属クラブ:アスルクラロ沼津 生年月日:2002年4月30日(22歳) 2024リーグ戦成績:23試合8得点1アシスト 今季のアスルクラロ沼津の躍進を支える1人が、横浜F・マリノスユース出身のFW津久井匠海だ。高校3年時の2020年7月に横浜FMとプロ契約を締結。同クラブの育成所属選手がプロ契約を結んだのは史上初のことだった。大きな期待を背負ってプロ入りしたが、同年のトップチームでの出場はなかった。 翌年は日本フットボールリーグ(JFL)のラインメール青森へ期限付き移籍。JFLでの2年間で36試合に出場し2得点を記録している。そして、2022年12月に沼津へ期限付き移籍となり、2023シーズンは怪我の影響で離脱する時期があったが、J3で29試合に出場し2得点2アシストを挙げた。 今季開幕前の昨年12月に完全移籍に移行した津久井は、圧巻の活躍を見せる。今季は開幕からベンチスタートが続いていたが、第4節のギラヴァンツ北九州戦で途中出場。87分に狙いすましたシュートを決めて、チームの1-0の勝利に貢献した。そこから出場機会が増えるようになり、今季ここまでJ3で23試合に出場し8得点1アシストとなっている。 津久井は2018年にU-16、2019年にU-17とU-18の日本代表経験があるなど、若くして期待された逸材だったが、FW陣に外国人助っ人の多い横浜FMは選手層が厚く、出場機会に恵まれなかった。センターフォワードでもプレーできる津久井だが、ウイングでの出場機会が多く、キレのあるドリブルが持ち味だ。決定力もあるため、この選手を自由にさせてしまうと、相手チームにとっては非常に脅威だ。
フィジカルが武器の関西学生サッカーリーグ得点王
FW:百田真登(ひゃくだ・まなと) 所属クラブ:奈良クラブ 生年月日:2001年4月4日(23歳) 2024リーグ戦成績:23試合6得点2アシスト 百田真登は関西大学4年の2023年に関西学生サッカーリーグで20得点を記録して得点王に輝いた。同年9月に特別指定選手の登録と翌シーズンからの奈良クラブへの加入が発表され、念願のプロ入り。2023シーズンの第37節ガイナーレ鳥取戦でJリーグデビューを果たした。 正式に奈良クラブの一員となった2024シーズンの開幕戦のFC琉球戦でスタメン出場を果たすと、2点ビハインドの86分にヘディングシュートを決めてJリーグ初ゴールを記録した。その後もコンスタントに先発出場を重ね、今季はここまで23試合に出場し6ゴール2アシストを記録している。ここ4試合はパトリック・グスタフソンがスタメン出場しており、百田はベンチスタートが続いているが、途中出場で結果を残してスタメンの座を奪回したいところだ。 178cmと特別背が高いというわけではないが、相手に身体を当てられてもブレないフィジカルの強さが武器のFWである。DFラインの背後への動きも得意で、絶妙な抜け出しからゴールも狙うことができれば、今季開幕戦のゴールのように、体幹の強さを活かしたヘディングもできる。FWとして必要な能力を兼ね備えていると言ってもいいだろう。