【心理カウンセラー・中元日芽香(元乃木坂46)】”欲望”との向き合い方
中元日芽香さんは乃木坂46の元メンバーであり、現在は心理カウンセラー。この連載では、“推される側”を経験し、“推す側”のメンタルにも寄り添ってきた彼女ならではの視点で、推し活とメンタルヘルスの関係について語ります。今回のテーマは、推し活と「欲」について。エネルギーの泉にもなる欲のコントロールと、欲の“同一化”がメンタルヘルスに及ぼす影響について、アイドル時代と今の自分とを見くらべながら、教えてくれました。 【写真】心理カウンセラー・中元日芽香さん(元乃木坂46)
今回のテーマは、推し活での「欲」との向き合い方
最近、大事な撮影に備えてちょっと体づくりを頑張っています。ジムに行き食事にも気をつけていますが、つらい思いをした10代の頃のダイエット経験にくらべると、今はなりたいボディイメージがあり自分のために頑張れているという実感があります。あくまで私自身にとってのよいイメージを目指せている今の状態は「健康的になったなあ」と感じています。 そんな私は、心の中にささやかな“欲”をひとつ飼っています… 「目標に到達したら、人生初の家系ラーメンを食べたい!」(笑) 自分に勝ったごほうびで食べるこってりラーメンは、さぞおいしいだろうな…そのときはカロリーも気にせず、スープも飲み干してやろう!と楽しみにしながら、日々ジムに通っています。 これは私にとってのモチベーションになる(ちょっぴり禁断の?)欲望。皆さんの中には、どんな欲がありますか?
食欲や睡眠欲と“推し欲”のバランスコントロール、上手にできていますか?
食欲・睡眠欲のように生命維持にとって必要な欲に加えて、仕事や勉強、推し活などでさまざまに生まれる欲。それは欲望・欲求・夢や目標という言葉に置き換えてもいいでしょう。欲を持つことは、エネルギーにつながります。欲がある人は「自分がこうなりたい」というイメージが明確にできて、それをかなえるステップを具体的に描きやすいようにも思います。 「推しの限定ブロマイドを絶対手に入れたい! 推しのライブツアー会場を全制覇したい!」という“推し欲”を「平日の仕事を頑張ろう!」というやる気につなげていく方は多いかもしれません。けれど、欲は用法・容量を守って適切に付き合わないと暴走してしまうことも。 「睡眠を削って、夜な夜な配信をチェックする」「グッズを買うために食費を抑える」という状態だと、ヘルシーな推し活から遠のいている恐れがあります。 推しが生活の一部になっている方には、自分の生活で“推し欲“がどのくらいの比重を占めているか、そのウェイトを量ってみることをおすすめします。推しへの欲が、睡眠欲や食欲などと比べて突出してしまっていないか?アンバランスになっていないか?と考え見つめ直すこと。それは自分のメンタルヘルスをチェックするバロメーターになりそうです。