「インディゴデニムのようなベンツ」ビームス屈指の車好きが惚れ込む、90年代黄金期のW124
父親がW124を購入する際に、リクエストしたのは他ならぬ小林さんだ。ステーションワゴンタイプのスクエアなフォルムも、当時から琴線に触れていたという。 「15年前、神奈川のディーラーまで足を伸ばして納車しに行ったことを今でも覚えています。もちろん僕も父に同行しました」。
そうして小林家の相棒に加わった一台は、数年前にようやく、いや首尾よく(!?)小林さんの愛車となった。
“黄金期ベンツ”最後のモデル、その乗り味とは?
「このW124は『ベンツがベンツらしかった時代の最後のモデル』と言われていて、見た目だけでなく作りの面でも重厚さを感じさせてくれます。内外装の質感はもちろんのこと、ドアを閉める音もバシンと鳴っていいんですよ。こういうところが高品質なんだと思います。これは父からの受け売りなんですけどね(笑)」。
細かく見れば樹脂パーツの劣化など気になる部分もあるようだが、懐かしさを感じさせる“ヤングタイマー”な佇まいは唯一無二の魅力だ。 「高らかに旧車と謳うほどヴィンテージなモデルではないので、走りはちゃんとし過ぎるほどちゃんとしています。当時で言えば高級車ですからね。むしろ最近の車にはない、ずっしりとした安定感が楽ししめるんです」。
「出張先でレンタカーを利用することもあるのですが、最近の車はすごく軽くて、僕にとっては何だか味気ないんですよ。W124のアナログな乗り味の方がしっくり来ます」。 そこに一切のヤセ我慢はない。その証拠に、家族と一緒に福井まで帰省するのもW124とともに、だ。
「オートクルーズが付いていますから、長時間運転しても疲れません。シートは快適ですし、ハンドルやスイッチが手元にあり、運転中の操作にストレスを感じさせないインテリアの作り込みも、完成度が高いなと思います」。 運転は基本的に週末で、自宅のある埼玉から都内への移動などがメイン。車内に流れるのは家族の時間だ。
ワゴンタイプで積載量も大きく、荷室もフラットなので荷物が積みやすい。後部座席は倒れてフルフラットになる。休憩中はそのフラットな荷室に腰かけて、子どもたちとおにぎりを頬張ることもあるという。 「先日、高さが185cmにもなる棚を購入したのですが、楽々持ち帰ることが出来ました」。