チーム全員で戦う琉球ゴールデンキングスに欠かせないベンチの活躍、牧隼利の強い覚悟「セカンドユニットの責任は僕に任されている」
「ここから立て直すメンタリティーをみんながしっかり持っていると思います」
セカンドユニットでゲームコントロールを担う琉球の牧隼利も、単調なオフェンスを敗因に挙げた。「相手のサイズがある選手たちがスイッチディフェンスを多用する中、ボールが止まってしまったところが課題だと思います。前半からスイッチで抑えられていた中、後半で修正できなかったのは自分たちの問題です。それが解決できないと次の勝利はないので、しっかり考えて火曜日に臨みたいです」 第3クォーター序盤には2桁リードと、Bリーグ連覇が見えてきたところでの逆転負けは痛恨の結果だ。だが、牧は冷静に現状を受け止め、自分たちがこの敗戦を糧にステップアップできると信じている。「(連勝で優勝と)そんな簡単にうまくいかないよね、というところはあります。(クォーターファイナル、セミファイナルと)第3戦を勝ち抜いてきたチームなので、ここから立て直すメンタリティーをみんながしっかり持っていると思います」 琉球が第3戦に勝利するには、広島のスイッチディフェンスをいかに攻略できるかが大きな鍵となる。そのためには、ミスマッチを突くことよりも積極的なドライブからのキックアウトなど、人とボールがよく動く自分たちのオフェンスの遂行を何よりも大切にすることが求められる。そして、ダーラム、ローと縦への推進力に優れたフォワードが、ゴールを背にした状態でボールを持つのではなく、リングにどんどんアタックできる状況を作り出していかないといけない。ダーラム、ロー、帰化枠のカークを同時起用するビッグラインナップこそ、選手の特性から言ってセットオフェンスではなく、トランジションを強調したオフェンスが必要だ。 また、ファイナル初戦ではベンチ入り全員となる12名、第2戦も11名がコートに立つなど、文字通りチーム一丸となって戦うスタイルを貫く琉球において、セカンドユニットがどれだけチームに活力を与えられるかも大切となってくる。牧は千葉ジェッツとのセミファイナル第3戦では11得点を挙げ、セミファイナル第2戦と第3戦の出場している間の得失点差ではそれぞれ+7、+11を記録と、逆転勝ちに貢献した。だが、ファイナルでは第1戦が-4、第2戦では-2で、「昨日にしろ、今日にしろ第3、第4クォーターの場面でうまく繋げなかった感じがあります」と、厳しい自己評価を下した。 だからこそ、明日のすべてをかける大一番において、牧は「セカンドユニットの責任は僕に任されていると思うので、そこは火曜日に意識してやっていきたいです」と強い覚悟を見せる。牧がオフェンスの舵取り役としてボールの停滞を防ぐとともに、シュートチャンスでしっかりと決め切りキングスブースターの熱狂を巻き起こせれば、結果は自然とついてくる。
鈴木栄一
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