【サウナの理想郷がないなら俺が作る!】やたらサウナと川好きな1人のおじさんが「究極のサウナ村」を建設し始めた話
■大きな挫折が生んだ覚悟のプロジェクト
僕は円原川と、円原川が注ぎ込む神崎川の2つの川を拠点に活動を始めた。それが2019年のことだ。 以来、僕は円原川が生み出す「水」の魅力に接してもらう手段として、子ども向けの川の学校や、流域を巡るエコツアーの整備を続けてきた。この地の特別な水を体感し、その貴重さに気づいて知ってもらうことによって、川の保全や、地域の持続化に向けた取り組みをする関係人口を増やそう! というのが狙いだったのだ。 そのエコツアーの中で最も人気だったのが、テントサウナを活用した「神崎川サウナ」だった。肌あたりのいい川風呂は、ディープなサウナーたちから“奇跡の水風呂”と称され、はるばる遠方からも多くのサウナーが来訪。僕自身もテントサウナの魅力にどんどんハマっていき、持ち前の凝り性&追求性な性格も相まって、川サウナの研究まで始めてしまう始末。こだわり抜いたサウナと奇跡の川風呂は、サウナが苦手な人からも好評で、水の魅力に触れるための手段として最高の場所が出来上がりつつあった。 しかし、その高評価の裏で、運営面では利益追求に関する人間関係の予期せぬトラブルに巻き込まれ、神崎川サウナはわずか半年での閉業を余儀なくされてしまったのである。 これには僕自身大きな絶望感を味わい、一時はひどい鬱状態になって最悪の事態寸前まで追い詰められることもあった。しかし、そのことが、僕の中にある種の“覚悟の火”を灯すことになったのだ。
■とことん「究極のシン・サウナ村」に向き合ってみようじゃないか
「自分にはまだ地域の人との信頼関係、そして奇跡の水風呂、川サウナ研究で培ってきた知恵と知識と経験、サウナと地域を愛する仲間がいる。どうせ一度は死んだ身。利益追求よりも理想追求を徹底し、とことん『究極の究極のシン・サウナ村』に向き合ってみよう! 街サウナや他の誰もがなし得ない、この場所でしか作れないサウナ村を作ろう! 人がととのえば、地域も自然もととのっていくような循環型の仕組みで、“豊かに生きるとは何ぞや?”も世と自分に問いかけていこう!」 こうして、2024年9月、神崎川サウナ奥之院『水と草木のサウナ村 ーTHE WATERSー』プロジェクトが発足し、クラウドファンディング挑戦と、並行して村づくりに向けた開拓もスタートしたのである。