SUSHI ROLL串（SUSHI ROLL串のお任せ8種盛り）3190円（税込み）お任せ8種盛りの内容は日替わりで、取材時は下左側から時計回りにマグロとアボカド、サーモンとクリームチーズ、ホタテとイクラ、ねぎとろととろろ生海苔、梅肉とシソ

米国・ロサンゼルス（L.A）といえば日本の寿司を独自に進化させた寿司ロール発祥の地。それは単なる流行に終わることなく、今や米国寿司のスタンダードとして確固たる食文化を根付かせている。こうしたL.Aの外食スタイルの食カルチャーを日本に逆輸入しつつ、さらに独自の創作力を発揮して注目を浴びるのが東京・赤坂のL.A CLUB SUSHI TIMEだ。 カットした寿司ロールを横に倒してステンレス製の串をぐさり。その上に寿司ネタやソースを飾り付けるように盛り付けていく。出来上がった寿司は一口サイズのケーキを思わせる美しさだ。「寿司ロールの上に寿司ネタを盛り付けるだけでは新しさが伝わりづらいと感じ、串に刺すことで食べ方そのもののオリジナリティーが表現できるのではと考えました」と、飲食事業部長の多屋徹夫さんは商品化の狙いを説明する。 これによって箸を使ったり手でつまんだりする従来の食べ方にはないカジュアルさが生まれ、かつ衛生面でもメリットが高いのもポストコロナ時代にフィットしている。 寿司ロール串のバリエーションは18種類。サーモンとクリームチーズやマグロとアボカドなどいかにも寿司ロールなものに加えて、こぼれイクラとウニ、イカとめんたいこといった純和風な取り合わせもラインアップ。さらには肉アイテムの牛ハラミ串も用意して多様なニーズに応える。 「醤油を付けずに食べてもらいたい」と多屋部長が語るように、独自性の高い自家製ソースで一品一品異なる味付けがなされていることも特筆したい。ホタテとイクラにはジェノベーゼソースを合わせたり、マグロとアボカドではシラチャーソースとマヨネーズを配合したピリ辛ソースを使うといった具合に、オリジナル調味料の数々は20を超える。これが強力な独自性の武器になっている。 開発時に最も苦労したことは意外にも「串」探しだったとか。「既存の串だと太巻きが安定しない。何種類も試した結果、いちばんよかったのが和菓子用フォークでした」と多屋部長。ツメが二又になっていて、フラットな形状が安定感をもたらしている。 太巻き部分は刻んだキュウリとミョウガを中心に詰め、シャリは少なめにして酒のツマミとしても食べられる仕上がり。また、ウナギと卵や牛ハラミ串では太巻きを天ぷらにして食感を変えるなど、創意工夫に余念がない。 「新たにワイングラスに寿司を盛り付けた寿司パフェを開発しました。今後も驚きある提案をしていきたい」と、多屋部長の創作意欲はとどまるところを知らない。 ●愛用食材・資材「サクサクしょうゆ　オイルベース」　キッコーマン食品（東京都港区）寿司ロール串ではトロタクとイクラに使用。醤油にフリーズドライ加工を施したサクサクした食感が新鮮で「醤油だからどんな料理にも合う。冷奴やたたきキュウリのようなものも、かけるだけで個性が出せる便利ものです」と多屋部長は絶賛する。規格＝350g ●店舗情報「L.A CLUB SUSHI TIME」経営＝TRI/店舗所在地＝東京都港区赤坂6-4-20 赤坂ヴィラージュ1階/開業＝2023年6月/坪数・席数＝20坪・32席/営業時間＝午後5時～午後11時。日曜休/平均客単価＝4000円