【図解】「通常国会」「臨時国会」「特別国会」の違いは?<国会用語>
国会中継をテレビなどで見たことがある人も多いと思います。この国会、実は年中開かれているわけではなく、「通常国会」「臨時国会」「特別国会」の3種類あり、それぞれ期間が定められます。どんな違いがあるのでしょうか。 【図解】「施政方針演説」と「所信表明演説」の違いは?
《通常国会》
通常国会は、憲法や国会法では「常会」と記され、毎年1回必ず召集する(憲法52条)ことになっています。詳細は国会法で定められており、会期は150日間で、1月中に召集するのが常例とされています。 通常国会では、首相が冒頭に施政方針演説を行います。審議される重要なテーマは、何といっても新年度の予算です。国の会計年度は4月1日から翌年の3月31日までなので、新年度予算を3月末までに成立させることが重要になります。いわゆる「年度内成立」をめぐって、しばしば与野党の駆け引きが繰り広げられます。 予算と予算関連法案が成立すると、次はその時々の政治テーマや重要法案の審議に移ります。通常国会は会期が長いので、予算以外にも多くの法案が提出され、成立します。
《臨時国会》
臨時国会は、通常国会を補完するような会期で開かれ、憲法や国会法では「臨時会」と記されています。「臨時」とついてはいますが、慣例的に毎年秋に召集されることが多く、首相が所信表明演説を行い、補正予算や新たな政治テーマ、重要法案などを審議します。 開催するための要件は憲法や国会法で定められており、▽内閣の必要に基づく場合(憲法53条)▽衆参いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があった場合(憲法53条)▽任期満了による衆議院選、もしくは参議院選の後(国会法2条)、です。 会期の規定は特になく、衆参両院による一致の議決で決められます。開かれる目的に応じて期間も変わるので、衆議院が冒頭解散されるケースように所信表明演説などを行わず1日で終わる場合もあれば、数か月にわたることもあります。
《特別国会》
特別国会は、衆議院解散による総選挙の後に召集されます。召集とともに内閣が総辞職するので、衆参両院で首相指名選挙が行われます。臨時国会と同じく、会期はそのつど国会が決めます。
会期延長は何回できる? 最大の延長幅は?
3つの国会はいずれも会期を延長することができます。ただし、延長できる回数は、通常国会は1回まで、臨時国会と特別国会は2回まで、と決まっています。 ちなみに、通常国会の延長幅が過去最大だったのは、安保法制が成立した2015(平成27)年の第189回国会。95日間延長され、9月27日に閉会しました。 会期自体の長さでは、1972(昭和47)年12月から翌73年9月まで開かれた特別国会(第71国会)の280日間が最長です。 ※「新・国会事典 第2版」(有斐閣)や衆議院、参議院ホームページなど参照