ポジティブな野島裕史はトライアスロン向き!? 孫崎虹奈がトライアスロンへの心構え、完走するための秘訣を指南
◆トライアスロン独特の練習法を伝授
野島:最後のランがあんなにつらくなるとは思わなかったんですが、そこはランが悪かったわけでなく、バイクの乗り方にかかっているんですね。 孫崎:そうですね。あとはトライアスロン独特の練習法として、必ず2種目続けて練習するというのがあります。例えばバイクで10 km走った後にランニングを2.5km。これを2セット、3セット繰り返し、バイク後のランの走り方を学ぶ、体に覚えさせる練習をしたりします。これは“ブリック練習”っていうんですけど、そうした練習を重ねることで体の使い方は上手くなります。 野島:筋肉の使う位置を分けるんですね。 孫崎:あとは腕振りの仕方や股関節が痛むならお尻をしっかり使うとか、そういったことが自分のなかでわかってくるので、それもトライアスロンの楽しいポイントですね。 野島:スイムに戻っちゃうんですけど、「バタ足はあまりしなくてもいい」と聞いたことがあるのですが、それはどうなんですか? 孫崎:正しくは違います。自転車も上半身を使わないと(ペダルを)踏めないじゃないですか。同じように水泳も手だけではなくキックと連動して前に進むので、バタ足をしなくていいというのは間違いです。 野島:あとは、スイムの練習のときもウェットスーツを着て練習したほうがいいんですか? 孫崎:大会の1~2ヵ月くらい前から2週に1回はスーツを着て練習すると体に馴染んでいくので泳ぎやすいですね。あとは(スーツを着ると)圧迫感を感じる人がいると思うのですが。 野島:確かに圧迫感は感じました。あれは結構きついですね。 孫崎:そうなんです。なので、そこも慣れるために2ヵ月前ぐらいから着始めるといいと思います。 野島:先ほど2種目連続で練習するといいとおっしゃっていましたが、スイムの後にバイクに乗るといいんですか? 孫崎:そこは難しいので、バイクの代わりにランニングしたり、水泳から陸の競技をすることで心拍の上げ下げが掴めて、次の種目に楽に移行することができるようになると思います。 野島:その心拍なんですけど、僕は自転車だと高めの心拍でも長時間乗れるんですが、スイムでめちゃくちゃ苦しくても心拍は全然大したことなかったりするんです。これって普通のことなんですか? 孫崎:心理的なものですね。手に汗をかいても意外と心臓は速くなっていない、それと全く同じ心理で、そこは練習で慣れたりとかですね。私も生徒さんにお伝えするんですけど、(トライアスロンの大会前には)海での練習を4回ぐらいは入れるようにして、海に慣れてくださいと伝えています。 野島:前回の「石垣島トライアスロン」は、とりあえず全部ダメなところが出たということですね。ただ、それでも楽しめたというのは、やはりトライアスロンの魅力なんだなと思います。 孫崎:本当にそうだと思います! 野島:今日はバイクの乗り方も教えてもらい勉強になりましたが、自転車にDHバー(ハンドルにつけて肘を乗せたり、空気抵抗を減らすためのアイテム)はやっぱりつけたほうがいいんですか? 平らなところでは有効ですか? あまり慣れていないので悩んでいるんですけど。 孫崎:そうですね。「石垣島トライアスロン」も最後は海沿いをずっと走るので、あそこはDHバーを使ったほうがタイムが上がると思います。とりあえずつけておいて、使うか使わないかはレース時に考えてもいいと思います。 野島:確かにそうですね。あと、ランで他に特殊なことはないですか? 孫崎:トライアスロン選手のランの動きを見ていると、腕振りが特徴的で、肩甲骨からめちゃめちゃ動かすんですよ。 野島:それはなぜですか? 孫崎:バイクで上半身が固まっているので、そのまま動こうとすると足だけの動作で走ろうとしちゃうんですね。うまく前に行かなくてペースが上がりにくいので、腕振りの動作を使って足を前に出すというのが独特なフォームにつながっていると思います。 野島:となると、ランのトレーニングでもそれを試したほうがいい? 孫崎:私は(生徒に)肩甲骨の間にテニスボールを挟んでいるイメージで、そのテニスボールを上手く動かしながら手を振ることを意識して走るように伝えています。腕のリズムで足がついてくるイメージで動かしてあげると、バイク後のランも走りやすくなります。 野島:なるほど。(バイク後は)足も疲れていますもんね。いやいや、こうしてお話をさせていただいて、本当に勉強になりました。機会がありましたら実地トレーニングも。 孫崎:ぜひぜひやりましょう! 野島:残念ながらお別れの時間がきてしまったんですが、石垣島トライアスロンの後、結果報告としてまたゲストに来ていただければと思っています。 孫崎:いつでも飛んできます! ここは憧れの場所だったので、来れてよかったです。 野島:最後に、まごちゃんの今後の予定は? 孫崎:2024年も今のところ12~13のトライアスロン大会のMCを担当させていただく予定なので、心配なことがあればぜひ会場で声をかけていただければと思います。 野島:トライアスロン大会の会場でもお会いしたいですし、トレーニングでも。今後ともよろしくお願いします。ぜひ自転車も一緒に! 孫崎:ぜひよろしくお願いします! 弟(KINAN Racing Teamに所属のプロロードレーサー孫崎大樹さん)も自転車競技をやっているので呼んでください! 野島:ぜひぜひ! よろしくお願いします。 (TOKYO FM「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」2024年1月21日(日)放送より)