ポジティブな野島裕史はトライアスロン向き!? 孫崎虹奈がトライアスロンへの心構え、完走するための秘訣を指南
◆野島、トライアスロンの罠に見事にハマる!?
野島:あと、僕が失敗だったと思うのは、泳ぐのが下手なので後ろのほうから出発すれば良かったのに、中盤の混雑しているところから出発しちゃったんです。それで、抜かされるときに数多くの人に頭を叩かれたんですよね(笑)。 孫崎:(笑)そこは難しいですよね。 野島:めちゃくちゃ頭を叩かれて沈んじゃって。それでちょっとビビって平泳ぎに変更したら、余計に邪魔になっちゃって。これはダメだと思ってロープを掴んで集団が過ぎていくのを待っていたんですけど、それもまたロスタイムになってしまって。 一番後ろからスタートすれば良かったのかなと後悔したんですけど、その後のバイクは得意なので、思い切り走って30人抜き。 孫崎:それはすごい! 野島:まあ楽しかったです、苦手なスイムも終わって(笑)。 孫崎:苦手なものがあっても得意なもので克服、挽回する、トライアスロンのいいところをゲットしましたね。 野島:そうなんです。もうノリノリで自転車に乗って、漕ぎに漕ぎまくった結果、その後に地獄が待っていたんですよね……。バイクの次のランは経験があるので余裕だろうと。スイム、バイクと使う筋肉が違うし大丈夫だろうと思って走っていたんですけど、3 kmぐらいで膝が痛くなってきて。 孫崎:それはトライアスロンのトリックというか罠ですね。バイクは股関節を使い続けるのでランの最初の2 kmくらいは足が勝手に回るんです。なのでノリノリで走ると3 km過ぎくらいからガクッと落ちてしまうんです。 野島:僕もまさに3 kmくらいから落ちました。 孫崎:バイクは常に上半身を固定しているので、ランに入って上半身を使う動作、腕を振り始めた瞬間に体がチグハグになって、筋肉の至る所が痛み始めるんですよ。バイクの過ごし方でランニングの結果が変わると言われています。 野島:バイクで調子に乗り過ぎたということですね(笑)。バイクはどう乗るのがいいのでしょうか? 孫崎:パワーの量を意味する「FTP(Functional Threshold Power)」があります。例えば自転車競技は90%ぐらいをずっと出し続けると思うんですけど、トライアスロンは75%で続けようというのが一般的で、全力を出さず、力を抑えるトレーニングが必要だと言われています。 野島:僕は見事に初心者の罠、バイク乗りの罠に引っ掛かってしまったんですね。 孫崎:そうですね。あとは、ランができる人は「10 kmぐらいはいける!」と思っちゃうんですよ。 野島:思っていました。 孫崎:そういった差は、コーチに教わるか・教わらないかで出てきますし、楽しくフィニッシュできるかどうかも変わってきます。 野島:僕の場合、完全に初心者の当たって砕けろ的なやり方でいったんですけど、フィニッシュは楽しかったです。 孫崎:それは素晴らしい! よかったです。