ドジャース・大谷 流行語大賞ならずも4年連続ノミネート 「50―50」がトップテン入り
毎年恒例の「2024ユーキャン新語・流行語大賞」(現代用語の基礎知識選)が2日に発表され、ドジャース・大谷翔平投手(30)の「50―50(50本塁打、50盗塁)」は年間大賞を逃したがトップテン入りした。ノミネートは通算6度目で、メジャー移籍後の18年以降は21年に「リアル二刀流/ショータイム」で年間大賞に輝くなど、今年までの7年間で4年連続5度目。もはや同賞の“顔”と言ってもいいほど話題を振りまき続けている。 ドラムロールとともにオレンジ色のパネルが回転し、「50―50」の今年の新語・流行語大賞トップテン入りが紹介された。海の向こうながら大谷の歴史的な活躍もあり、その意味を多くの日本人が理解している。規格外のパワーとスピードを持ち合わせ、メジャー史上初の50本塁打、50盗塁。最終的には「54―59」まで伸ばした。 都内で行われた表彰式。司会者は「大谷選手は、残念ながら本日は欠席でございます」と説明した。ワールドシリーズ(WS)第2戦で脱臼した左肩手術後のリハビリ中で、公私ともに多忙を極めているスーパースター。自身初のMVPに輝いた21年の「リアル二刀流/ショータイム」以来、2度目の年間大賞こそ逃したが、言語学者で杏林大教授の選考委員・金田一秀穂氏は「日本にいながらニュースで知らされる大谷選手と、同時代で過ごせたことの幸運を味わうことができた」と選評に記した。 その21年から始まった野球界からの年間大賞は3年連続でストップしたが、大谷は既に同賞の常連だ。21年の年間大賞以外にもノミネートは多く、日本ハム時代の1年目の13年に「二刀流」で“デビュー”すると、16年には「完成の域でない」との理由で「リアル二刀流」での同賞ノミネートを辞退も、メジャー移籍後はエンゼルス1年目の18年に「翔タイム」、22年に「大谷ルール」、侍ジャパンの一員として3月のWBCで世界一を奪還した23年は「憧れるのをやめましょう」と直近7年間で4年連続5度もノミネートされている。 同じく大賞の10語に選ばれた「裏金問題」、「ホワイト案件」に象徴されるネガティブな言葉が世の中に浸透する中、女優でエッセイストの選考委員・室井滋は「大谷選手の50―50やオリンピック関連用語がなかったら、少々寂しかったに違いない」と選評に記入。大谷は自身の記録だけでなく、WS制覇も含めた活躍で日本中に元気と勇気を与えた。 WS連覇を狙う来季は3月に東京ドームでの開幕シリーズ、そして2年ぶりの投手復帰も待っている。大谷はいつだって想像を超えてくる。来年の今頃、まだ誰も想像していないような新語・流行語が日本中に浸透しているかもしれない。(柳原 直之)