「おいしいものは体にいいのよ」有元葉子さんのグリーンサラダ
「おいしいものは身体にいいのよ」。有元葉子さんはしばしばこの言葉を口にする。「野菜が身体にいいのはもちろんです。ただ、運動したら、肉や揚げものをたっぷり食べたいし、疲れたときには甘いものが欲しくなります」と有元さん。「見知らぬ土地で、スマホ頼みではなく、太陽の位置や見える景色を頼りに歩くと認知機能が高まると聞きました。食べることについても同様に、自分の身体の声を頼りにしてはいかがでしょう」。有元葉子さん直伝の、真っ当においしく体にやさしい、理にかなった調理法と食べ方をお届けします。今回は基本のグリーンサラダをマスター! 【写真で分かりやすい】有元葉子さんのグリーンサラダの作り方
3つのポイントを押さえて、シャキッとみずみずしいグリーンサラダに!
葉野菜をドレッシングで和えるだけのグリーンサラダ。野菜のシャキッした口当たり、ドレッシングを隅々まで均等にまとっていることが美味しいサラダの条件だろう。 べちゃっとなってしまって、という声も多く聞くが、「コツさえ覚えれば簡単です。ひとつひとつの工程を丁寧にこなすことも大切ですね」。 葉野菜はレタス、サニーレタス、フリルレタス、ロメインレタス、エンダイブなどのレタス類を数種類合わせると、さまざまな味わいと食感を楽しめる。 「レタスよりサニーレタスやエンダイブなど、しっかりした食感のものが私は好みです。これにトレヴィスやクレソン、ルッコラ、からし菜など、苦味のあるものをプラスすれば、葉野菜だけでも飽きずにたくさん食べられます」。 美味しく仕上げるコツは3点。「葉野菜をピンとさせる」「水気をしっかり切る」「水分を出さないように油と酢、塩で和える」。 「葉野菜を水に浸けた後、冷蔵庫に入れておくとシャキッと元気になります」。 ドレッシングを前もって作っておく方法もあるが、有元さんはオイル→酢→塩の順に加え、和えていく。「まず油で野菜をコーティングすれば、酢を加えてもべちゃっとなりません。最初に塩を振ってしまうと水分が出てきてしまいますから、塩は最後に」。 シンプルな料理だからこそ、調味料は納得のいくものを使えば、美味しさへの近道にもなる。有元さんは、塩はフランス産ゲランドのフルール・ド・セルを使用。「塩粒をところどころに感じるので、塩の量は少なくてすみます」。 今回はオリーブオイル+白ワインビネガーで作ったが、太白ごま油&千鳥酢の組み合わせもおすすめ。「オリーブオイルと白ワインビネガーの場合、3:1の割合を目安に作ります。太白ごま油と千鳥酢の場合は、酢が少し多めでもいいでしょう。酢に少し甘みを加えても美味しいです。甘みはメープルシロップや蜂蜜を好みで」。 <材料> 葉野菜(レタス類、トレヴィス、クレソンなど) 適量 オリーブオイル 適量 白ワインビネガー 適量 黒コショウ 適量 塩 適量 <作り方> 1 葉野菜は水にしばらく浸けてから、ざっと洗い、ざるを重ねたボウルに入れて蓋(ラップでも)をして冷蔵庫に数10分~ひと晩入れておく。食べる直前にサラダスピナーでよく水を切り、大きめのボウルにひと口大にちぎって入れ、オリーブオイルを回しかける。 2 サーバーなどで底からふんわり持ち上げるようにしっかり和える。全体にオイルをまとわせるため、足りないようなら、オイルをプラスしてさらに和える。 3 黒胡椒を挽きかけ、ざっと混ぜ、白ワインビネガーを回しかけて、さらに和える。 4 最後に塩を振り、さらに混ぜて出来上がり。写真のステンレス製のボウル(平鉢)とサーバー(サラダハンド)は、有元さんのオリジナルキッチンブランド「YOKO ARIMOTO PRODUCTS」のもの。 有元葉子(ありもとようこ) 料理家。素材を生かしたシンプルで力強い料理と、環境にも配慮した心地よい暮らし方に多くの共感が集まり、著書は100冊を超える。使いやすく美しい調理道具「ラバーゼ」シリーズを提案し、東京でセレクトショップ「SHOP281」を経営。イタリア・ウンブリアと信州にも家を持ち、東京と信州、イタリアでの生活を楽しむ。 RECIPE BY YOKO ARIMOTO, TEXT BY MIKA KITAMURA