【更年期に起きる肌の変化とは?】女性のホルモンバランスに影響するターニングポイントと対策を医師が解説
体内で「指揮者」の役割を果たすホルモンは、活力から食欲に至るまで、私たちの体のあらゆる機能を背後で操っている。その影響を大きく受ける部位として、肌も例外ではない。たとえば、突然できたニキビが「そろそろ生理用品を買い足す時期だよ」と暗示してくれることを思い出してほしい。 【写真】女性ホルモンバランスを整える5つの食べ物・ホルモンバランスを乱す食べ物 ただし、朗報もある。毎日のスキンケアやライフスタイルを少し見直すだけで、輝きのある肌をいつまでも保つことができる。ここでは、ホルモンバランスに関わる大きな変化について、アメリカ版ウィメンズヘルスから解説していく。 ※本記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスからの翻訳をもとに、ウィメンズヘルス日本版が編集して掲載しています。
大きな変化: 閉経周辺期
閉経に向けた移行期間(エストロゲンとプロゲステロンが正式に役目を終える時期)では、ホルモンが大きく変動する。レヴィン医学博士によれば、この新たなホルモンの不均衡が、肌の乾燥を引き起こしやすくするという。また、エストロゲンはコラーゲンやエラスチンなどの構造的なタンパク質の生成を促すため、その減少はこれらの喪失を招き、細かいシワが増える原因に。エストロゲンが減少すると、テストステロンが優位になると説明するのは、米イェール大学臨床助教授で皮膚科医のモナ・ゴハラ医学博士。これにより、ニキビや酒さが発生しやすくなることも。 【対処法】 肌がこれまでにないほど乾燥し始めるこの時期は、すべてのケアにおいて保湿を重視するべき。ゴハラ医学博士は、グリセリンやヒアルロン酸などの保湿成分を含むスキンケア製品を使用するようにを勧めている。シワ対策には、コラーゲンの生成を促すレチノイドを試してみるといいとか。肌のエストロゲン受容体を活性化する成分、メチルエストラジオールプロパノエート(MEP)などは、研究によって乾燥、くすみ、たるみの改善に効果的であることが示されているという。
大きな変化: 閉経
閉経後は、エストロゲンとプロゲステロンの変動がなくなるため、「コラーゲンがかなり減少します」とレヴィン医学博士。そのため、シワが深くなったり、肌の弾力が失わてしまうとか。良い点としては、ニキビがほとんどできなくなるため、大人ニキビに悩まされていた人にとっては、ようやく肌が落ち着いてクリアになるかもしれない。 【対処法】 ペプチドを含むスキンケア製品を選ぶこと。「ペプチドは、特定のタンパク質の構成要素で、コラーゲンの生成を促進します」とレヴィン医学博士。つまり、ペプチドは、肌がより多くのコラーゲンを作るために必要な素材を与えられるということ。さらにレヴィン医学博士は、ダメージの修復や防御を助ける抗酸化物質や、細胞の成長を調整し、組織の維持やコラーゲンの修復・生成に寄与する成長因子(細胞が生成するタンパク質)の使用も勧めている。加えて、この時期にはレーザー治療やラジオ波、マイクロニードリングなどの施術を試してみるのも良いそう。これらの施術は肌に細かな傷を意図的に作り、新しいコラーゲンの生成を促すことで、スキンケア製品だけでは得られない効果が期待できるという。