[立川談笑さん]甲状腺がんの診断に「落語をできなくなるかも」…つらかった脂肪ゼロ、ヨウ素制限の食生活
「声が出るぞ」にお客さんから大喝采
――高座に戻られたのは、どのくらいたってからでしたか。 結構すぐだったんじゃないですかね。退院して、割とすぐだったと思います。まだ脂肪制限とかやっている最中。 高座に出て、最初に「声が出るぞ」と叫んだら、お客さんは大喝采で迎えてくれましたね。私もうれしいし、お客さんも喜んでくれました。毎月やっている独演会でのことです。 ――手術の後、体のほうは大丈夫ですか。 まったく問題ないですね。半年に一度、病院に通って血液検査。マーカーなんかもチェックしてもらっても、問題ありませんよといわれています。 腫瘍と一緒に甲状腺を取ってしまったんで、ホルモン剤を毎日飲んでいます。 ――脂肪ゼロの食生活を、1か月我慢されたわけですが、その後の食に影響はなかったですか。 いや、ありますね。うん。ラードのうまさに気がついた。それまでは油もの、揚げものは避けるようにしたんですけど。やっぱり反動ですね。それまではチューブに入ったラードなんか使ったことなかったのに、料理によく使うようになった。ラード、うめえ(笑)。 ――読者にアドバイスはありますか。 まずは健康診断は受けた方がいいですね。私の場合も、なんてことはない普通の区民健診で見つかったわけです。 あと、もう一つはかかりつけのお医者さんをつくることですかね。普段から継続的に診てくれているお医者さんが、ちょっとおかしいなっていう違和感に気がついてくれるのがいい。お医者さんも、ふだん知っている患者になら言いやすいですよね。まさに私がそうでした。近所のクリニックで区民健診を受けたら、「なんにもないかもしれないけれど、胸郭が広い気がする」と、雑談的な感じで言ってくれました。
たてかわ・だんしょう
1965年生まれ、東京都出身。早稲田大学法学部卒業後、93年、立川談志に入門。2005年に真打ち昇進。古典を独自にアレンジした爆笑落語で人気を集める。新年1月17日、なかのZERO小ホール(東京)で、弟子たちもそろって「新春談笑ショー’25」を開催する。