久保建英に現地紙も同情 孤軍奮闘もレアル・ソシエダが勝てないのは「必然」
【決定機をプレゼントしたが...】 そのなかで、久保建英は孤軍奮闘している。 9月21日、ラ・レアルは敵地でバジャドリードと戦い、スコアレスドローに終わった。 久保は4-3-1-2のトップ下で先発した。チームが不振のなか、チャンスメーカーに徹し、前半からいくつも決定機を創出している。 9分、マルティン・スビメンディのパスを左サイドで受けると、久保はシェラルド・ベッカーとのパス交換から相手ひとりを外し、ふたり目をかわし、3人目も裏を取る。グラウンダーのクロスで得点のお膳立てをした。しかし、倒れ込みながら打ったオスカルソンのシュートはブロックされた。 31分、久保はCKのこぼれ球を相手に背中を押されながら自分のものにし、裏に走るベッカーへロングスルーパス。精度、角度ともに絶好だった。しかし、GKと1対1になったベッカーは、これを決められない。 そして前半アディショナルタイム、久保は左サイドを自ら縦に突っ切る。単独ドリブルで、相手を置き去りに。GKとDFの間に速いボールを折り返したが、これに誰も突っ込めなかった。 7試合で計3得点(久保は1得点)の状況も、これでは致し方ないだろう。 スペイン大手スポーツ紙『アス』の論評も、久保には同情的だ。 「タケ(久保)は、ラ・レアルのなかで一番インスピレーションを感じさせる選手だった。トップコンディションではないことがわかるプレーもあったが、それでも彼を止めるにはファウルしかない。ベッカー、オスカルソンに明らかな決定機をプレゼントしたが......」 ラ・レアルが今、懸念すべき状況にあるのは間違いない。 ただ、ラ・レアルの歴史を振り返ったら、大騒ぎしてチームを叩くほど悪い状態でもないだろう。クラブの予算規模を考えれば、8~10位が順当のクラブ。昨シーズンの6位は「低迷」と非難されたが、チャンピオンズリーグ(CL)を並行して戦ったことを考えれば、ベティスに競り勝ってヨーロッパリーグ(EL)出場を獲得できたことだけでも及第点を与えられた。