国立天文台がとらえたアイソン彗星 肉眼でも見える?
アイソン彗星が11月29日に太陽に最接近します。肉眼で見えるくらいに明るく輝くと言われ、プロ・アマチュア問わず、多くの人の目が向けられています。11月中旬には、急に輝きを増していて、すばる望遠鏡など国立天文台の各望遠鏡が撮影に成功し、彗星の詳細な画像を公開しました。 これは不思議 尾っぽがある彗星のような小惑星を発見 画像1枚目は、アメリカ・ハワイのマウナケア山の頂上にある「すばる望遠鏡」が11月5日に撮影したアイソン彗星です。ハワイにありますが、日本の国立天文台が運用する望遠鏡です。今回は、新しく搭載された超広角で撮影できる世界最高性能のカメラを使いました。 この時のアイソン彗星の明るさはまだ9等級台でした。星の1等級、2等級というのは、星の明るさの順位です。数字が大きいほど暗いことを意味します。肉眼で見える最も暗い星が6等級と言われています。北極星が2等級。逆に明るくなればなるほど、数字は小さくなってマイナス等級になります。明るく輝く金星はマイナス4等級くらいです。 すばる望遠鏡が撮影した時は、彗星が暗かったのに加えて、彗星が低い空に見えていたとあって厳しい条件でした。しかし、満月の見た目の直径の2倍にも伸びた尾が淡い部分まではっきりと写っていました。
2枚目は、16日に沖縄県・石垣島天文台の「むりかぶし望遠鏡」がとらえた画像です。14日ごろの急に輝きを増した後に撮影されました。複数に広がった尾っぽとアーチ状に広がる最も明るい「コマ」と呼ばれる部分が写っていて、迫力ある姿を見せています。 この「コマ」の異変については、まだよくわかっていません。ちなみに「むりかぶし」は、沖縄方言で「星の群れ」を意味するそうです。
アイソン彗星とならんで、肉眼で見えるくらいの明るい彗星といえば、ラブジョイ彗星です。3枚目の画像は、岡山天体物理観測所の望遠鏡「MITSuME」が11月11日に撮影したラブジョイ彗星です。こちらも大きく明るいコマのようすがよくわかります。 ラブジョイ彗星は、いまでも5等級で順調に輝きを増していて、肉眼で見つけられるくらいの明るさになっています。12月には明け方の東の空で4等級程度の明るさになると予測されています。こちらも引き続き見逃せません。 (参考:AstroArts)