成長できていない…。レンタル先で苦しんだJリーグの逸材(2)23歳で無所属に…。トライアウトに参加した元五輪代表候補
「可愛い子には旅をさせよ」ということわざがあるが、サッカー界では若手選手を成長のために期限付き移籍させることが多い。しかし、すべての選手が順風満帆なキャリアを送ることができるわけではなく、才能豊かな逸材が武者修行先で伸び悩むことも少なくない。今回はレンタル先で苦しんだJリーグの逸材選手を紹介する。※スタッツは12月17日時点のデータサイト『transfermarkt』を参照
DF:成瀬竣平(なるせ・しゅんぺい) 生年月日:2001年1月17日 保有元クラブ:名古屋グランパス 期限付き移籍先クラブ:V・ファーレン長崎 今季リーグ戦成績:1試合0ゴール0アシスト 監督との巡り合わせが、彼のキャリアに大きな影響を与えたかもしれない。 かつてパリオリンピック(五輪)日本代表候補にも挙げられていたDF成瀬竣平は、現在無所属となっている。今季は所属する名古屋グランパスからV・ファーレン長崎へ期限付き移籍していたが、その期間が終了するとともに、レンタル元の名古屋との契約も今季限りで満了に。無所属となった同選手は、今月栃木で開催されたトライアウトに参加していた。 名古屋では、マッシモ・フィッカデンティ前監督の下で台頭し、2020シーズンにはリーグ戦25試合に出場している。そんな順風満帆なキャリアを歩んでいた成瀬はなぜ、五輪代表候補から無所属まで転落してしまったのだろうか。 その理由の1つに、彼の対人守備に不安がある点が挙げられるだろう。サイドでの1対1であっさりと振り切られてしまう場面も見られたため、守備面の課題が彼の評価を下げたのかもしれない。 堅守・名古屋のイメージを確立させたフィッカデンティ前監督は、チームディフェンスを細かくコントロールしていた。これにより成瀬の対人守備における課題は目立ちにくく、逆に持ち前の攻撃性能が存分に輝いていたように見える。 しかし、フィッカデンティが退任するとチーム内における成瀬の序列は低下。技術は高いが、競り合いで当たり負けることも少なくない成瀬の出場機会は激減した。 結果として、ファジアーノ岡山、モンテディオ山形、水戸ホーリーホック、そして長崎を渡り歩くなど「期限付き移籍」という名の武者修行を続けた成瀬だったが、下部組織から在籍する名古屋に復帰することは叶わなかった。 挽回を目指す23歳の若武者の姿は、来季どのチームにあるだろうか。
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