なぜ呼ばれない? サッカーU-23日本代表に招集されなかったJリーグの主力選手6人。パリ五輪行きの切符を逃した男たち
パリ五輪(パリオリンピック)2024・男子サッカー競技でベスト8に名を連ねたサッカーU-23日本代表。大岩剛監督に選ばれた精鋭たちはその実力を遺憾無く発揮していたが、その影にはJリーグでの活躍も実らずパリの大舞台に立てなかった選手たちもいる。今回はパリ五輪メンバーに招集したかったJリーガー6人をピックアップして紹介する。※成績は『transfermarkt』を参照
DF:奥田勇斗(おくだ・はやと)
生年月日:2001年4月21日 所属クラブ:セレッソ大阪 2024リーグ戦成績:11試合1得点1アシスト セレッソ大阪での充実ぶりを踏まえれば、奥田勇斗の本大会メンバー入りは十分に現実的な選択肢だったと言える。 2024シーズンよりC大阪に加入した奥田は、大卒ルーキーながらJリーグで存在感を強めている。特に、クラブと日本代表で活躍していた毎熊晟矢が海外挑戦のために退団してからは、右サイドバックのレギュラーを完全に確保。C大阪にとって両サイドバックは戦術の肝となる重要なポジションだが、前任者の毎熊に決して引けを取らない出来を示している。 奥田は、現代のサイドバックに求められる要素をしっかり押さえている。サイドに張るだけでなく、状況に応じて中盤化することも可能で、ペナルティボックス方向の内側に走り込むインナーラップの質も高い。1列前の右インサイドハーフや右ウイングとの連携も良好で、攻撃を停滞させることがない。攻撃的なスタイルを目指す大岩ジャパンにも完璧にフィットする人材だ。 結果論ではあるが、U-23日本代表ではパリ五輪直前に半田陸(ガンバ大阪)が怪我の影響で離脱し、右サイドバックの層が薄くなっている。総合力の高い奥田がいれば、関根大輝(柏レイソル)にかかる負担もグッと軽減できたかもしれない。
DF:馬場晴也(ばば・せいや)
生年月日:2001年10月24日 所属クラブ:北海道コンサドーレ札幌 2024リーグ戦成績:24試合2得点2アシスト 北海道の地からアピールを続けてきた馬場晴也が、パリ五輪メンバーに選ばれることはなかった。だが、それでも馬場の価値に疑問が生じることはないだろう。 所属する北海道コンサドーレ札幌では、“知将”ミハイロ・ペトロヴィッチ監督から求められた役割を咀嚼し、吸収し続けている。2024シーズンの序盤は3バックの一角を務めることが多かったが、5月あたりからは中盤で起用される機会が増加。対人能力の高さを活かし、ボランチというポジションを自分のものにしている。 高い戦術理解度がある馬場だが、U-23日本代表に選ばれなかった理由は何だろうか。もちろん様々な判断材料が絡み合った結果の落選なのだが、大岩剛監督が選んだ高井幸大(川崎フロンターレ)と木村誠二(サガン鳥栖)の両センターバックは、よりミスが少ないように感じる。加えて、高井と木村は「強さ」と「速さ」を補完しあえる関係性があり、ユニットとしての信頼性も高い。 ただ、繰り返しになるが、今回の落選が馬場の価値を落とすことにはならないはずだ。J1残留に向けて少しでも勝ち点を確保したい今の札幌において、センターバックと中盤を兼務できる馬場は必要不可欠な存在であることに変わりはない。