ヤクルト退団のヤフーレが日本でプレー熱望 他球団が高評価で「争奪戦の可能性」が
伸びしろ十分の26歳右腕
ヤクルトのミゲル・ヤフーレが11月7日に自由契約選手として公示され、今季限りで退団が決まった。この3日前に、ヤフーレはヤクルトを退団することを自身のX(旧ツイッター)で明かしていた。「今シーズンは本当に新しい経験でした。この気持ちを言葉だけでは表現できません。素晴らしいチームの一員になる機会を与えて頂いたスワローズに感謝します」と伝えた上で、「来年チームに戻れないことは悲しいですが、日本に残って皆さんを楽しませ続けられればと思っています」と綴っていた。 【選手データ】ミゲル・ヤフーレ プロフィール・通算成績 来日1年目の今年はオープン戦で防御率5.14と調子が上がってこなかったが、開幕後の3、4月で4勝をマーク。5月は0勝3敗だったが防御率1.74と好投を続けていた。先発のコマ不足が深刻な状況で、長期離脱せずにシーズンの最後まで投げ続けた働きぶりは大きな価値がある。129回1/3と規定投球回数には到達しなかったが、23試合登板で5勝10敗、防御率3.34。負け越したが、白星と黒星が逆でも不思議ではない投球内容だった。 今季セ・リーグで規定投球回数に到達した助っ人外国人投手は、アンドレ・ジャクソン(DeNA)のみ。先発陣の層が薄い球団は多い。ヤフーレが来季以降も日本でプレーすることを望んでいることから、複数球団が獲得に乗り出す可能性が十分に考えられる。他球団のスコアラーは「ヤクルトを退団したことに驚きました。制球力が良く、走者を背負ったらギアが上がり決定打を許さない。試合をつくる能力が高い投手です。日本で実績を残したことが大きなプラスアルファですよね。26歳と若いし、まだまだ伸びしろ十分です」と高い評価を口にする。
2年連続最多勝の助っ人
ヤフーレはツーシーム、チェンジアップ、ナックルカーブ、カットボール、スライダーと多彩な変化球を操り凡打の山を築く。その投球スタイルはかつてヤクルトでプレーしたディッキー・ゴンザレス、セス・グラウシンガーと重なる。 グライシンガーは「精密機械」と評される抜群の制球力に定評があった。ヤクルトに入団した2007年に16勝8敗、防御率2.84で最多勝を獲得すると、巨人に移籍した08年も17勝9敗、防御率3.06で2年連続最多勝に。12年にはロッテに移籍して12勝をマーク。来日8年間で64勝42敗、防御率3.16の成績を残した。 趣味は一人旅。シーズンオフになると、インド、タイ、トルコ、中国、ポルトガル、オーストラリアなど世界各地を旅する。日本での生活も楽しんでいた。かつて、週刊ベースボールのインタビューでこう語っている。 「休日を有効に使うためには、体を休めることが一番なんだけど、やっぱり新しい街を散策するのが好きだからね。好きなエリアは麻布十番かな。ラーメンも好きなので、常に新しい店を探している。いま、お気に入りのラーメン屋は新宿にある。できれば、ゴルフもやりたいんだけどね」