「史上初めてニュージーランドに勝つ日本代表になりたい」PNC準優勝、指揮官が掲げる超速ラグビーのカタチは見えてきたか?
道半ばであるのも確かだ。 9月21日の決勝戦では、フィジー代表に17―41と大敗。破壊力と規律を融合させ、昨年のワールドカップフランス大会で8強入りした強豪に、後半に突き放されたのだ。 元気印で右プロップの竹内柊平は、上位国のフィジカリティを再認識した格好だ。自分たちが毎朝6時から猛練習を重ねているのを前提に、こう述べた。 「フィットネス(持久力)よりフィジカルが課題かなと。(ぶつかり合いの)一撃、一撃のダメージの蓄積がジャパンに残っていて、フィジー代表にはあまり残っていないという感じだったので」 ジョーンズは潔かった。 献身に献身を重ねながらも防御に穴を作ってしまったこと、自陣から脱出する前にプレッシャーを受けてしまったこと、深い角度の細かいパスを首尾よく繋げられなかったことの全てを包括するように言った。 「(強豪との試合で)ハードワークをもう少し長い時間し続けるレベルにはまだ達していませんし、その域に達するために今後もハードワークを続ける必要があると思います。本日は実力が不足していた」 今後も引き続き、集団的なスピードで魅する『超速ラグビー』のメソッドやディテール、何より目標のワールドカップ4強入りに必要な「実力」を涵養する。 目先の勝負にもこだわる。10月26日には秋のキャンペーンの初戦があり、その相手が3度も世界一になっているニュージーランド代表であることへジョーンズは「スピードに乗ったプレーを。史上初めてニュージーランド代表に勝つ日本代表になりたい」。そのニュージーランド代表戦へ、現在離れているかつての代表常連組を復帰させるかと記者に聞かれれば、こう突き返す。 「若い選手はお嫌いですか?」 実際に戦力をアップデートしないのかどうかはさておき、自らが抜擢した若き才能を軸に特色あるチームを作りたいのは確かだろう。選手たちの成長について問われれば…。 「結果ベースでのご質問、答えになるのは望んでいるところではない。個々の努力をベースに答えるとしたら、思っていたよりも先に進んでいると思っています」 かねて強烈な意思表示で知られるボスの本領発揮を予感させた。 取材・文●向風見也(ラグビーライター)
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