「覚える」ために必要なのは○○力だった!【50代からの脳トレ③】
朝勉強した内容を昼間に思い出すという程度でもOK。『あの単語覚えたな』と思い出して、記憶に“鮮明さ”を与えられればいい。 これを繰り返すと、一度学んだことを長記記憶として定着させやすく、かつ思い出す=引っ張り出す回数が多いことで、ほかの記憶に埋もれてしまうことなく、保管庫の“取り出しやすい場所”に置いておくことができるのです」
検索を広げて「意味記憶」を増やす
勉強を進めるうえでもうひとつ大事だと加藤先生が言うのが、私たちがネット検索するのと同じ、いわゆる「検索」の力。 「これは、自分の勉強にとって“必要と思う情報を自ら探し出して取りに行く力”のことです。 ひとつの単語や言葉の意味、背景などの関連情報を自分で調べる。そこから関連した言葉にどんどん検索ワードを広げていく。また、『この人はこう言っているけど、こっちの人はどうだろう?』と疑問を持ったり比較をしてみる。 そうした検索の積み重ねはまさに“好奇心”そのものです。好奇心に裏打ちされた検索は、そこに意味が加わります。 大人の勉強は“意味記憶”がポイント。検索力をつけることは、意味記憶を増やすことにつながり、勉強が一気に進みますよ」
【教えてくれたのは】 加藤俊徳さん 脳内科医・医学博士・小児科専門医。加藤プラチナクリニック院長。昭和大学客員教授。株式会社「脳の学校」代表。脳科学、MRI脳画像診断の専門家として、胎児から90歳以上の超高齢者まで1万人以上を加藤式脳画像診断法で脳の使い方や脳相を診断。脳の成長や個性に合わせた学習指導や適職相談など、薬だけに頼らない脳が成長する治療を提供。著書に『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』(サンマーク出版)、『1日1文読むだけで記憶力が上がる! おとなの音読』(きずな出版)など多数。 イラスト/藤田マサトシ 取材・原文/遊佐信子