『光る君へ』ドラマでは描かれなかった藤原道長の壮絶な最期、四納言や道綱はどのように人生の終わりを迎えたのか?
■ 武士の台頭を予見するまひろの「締めのセリフ」 ラストシーンは、まひろの「嵐が来る」というセリフで締められた。東国で戦が始まり、双寿丸が朝廷の討伐軍の一員として向かうところで、まひろと偶然に出会う。戦とは、房総全体を巻き込むことになる、長元元年(1028年)に起きた「平忠常の乱」のことだ。 まひろが双寿丸の背中を見ながら、つぶやいた言葉は現実となる。この流れの中で、2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を見れば、また新たな発見があることだろう。 大河ドラマでは初めてとなる平安中期の貴族社会を舞台に選んだという意欲も含めて、『光る君へ』は、果敢に新しいことに挑戦した名作といえるのではないだろうか。 【参考文献】 『新潮日本古典集成〈新装版〉紫式部日記 紫式部集』(山本利達校注、新潮社) 『藤原道長「御堂関白記」全現代語訳』(倉本一宏訳、講談社学術文庫)『藤原行成「権記」全現代語訳』(倉本一宏訳、講談社学術文庫) 『現代語訳 小右記』(倉本一宏編、吉川弘文館) 『紫式部』(今井源衛著、吉川弘文館) 『藤原道長』(山中裕著、吉川弘文館) 『紫式部と藤原道長』(倉本一宏著、講談社現代新書) 『三条天皇―心にもあらでうき世に長らへば』(倉本一宏著、ミネルヴァ日本評伝選) 『偉人名言迷言事典』(真山知幸著、笠間書院)
真山 知幸