金子恵美が解説する「都知事選の意味」投票前に知っておきたいこと
東京都知事選挙が告示され、各候補者が舌戦を繰り広げています。突如、蓮舫参議院議員(現在失職し、選挙活動中)が立候補表明をしてから、一気に世の中(特にマスコミ)のスイッチが入りました。広島県安芸高田市の石丸市長が立候補表明したことも注目を集めていた中、小池都知事が三期目に向けていつ出馬表明をされるのだろうかと騒がれていました。今回は50名を超える立候補者が乱立していることも一つの注目すべき点ですが、このコラムでは東京都知事選挙とはどういう意味があるのか、どのあたりに注目すべきなのかということを、なるべく簡単にご説明できればと思います。 【写真】金子恵美も納得…「投票行ってと言われると気が重くなる」理由
東京都知事の影響力とは
東京都は言わずと知れた日本の首都です。毎年発表される国際都市ランキングで、常にトップ5に入って、経済、文化、ライフスタイル、交通などの多くの側面で高い評価を受けています。特に経済面では世界一です。ニューヨークや、ロンドンなどと比べても非常に大きい経済規模を誇っています。人口も約1400万人で、東京23区だけでも930万人に上ります。財政も潤沢で(つまりお金持ち)、非常に豊かな財源の下に都政は運営されています。そもそも、自治体には地方交付税というものが支給されており、各自治体は国からそれを受け取って運営をしています。でも、いくつかの自治体はそれを受けずに自らの税収だけで財政運営します(受けていない団体を不交付団体といいます)。当然、東京都もそれにあたります。私が初当選をしたときに先輩議員から言われました。「日本で一番権力があるのは総理大臣だけど、その次に大きな力をもっているのは誰だと思う? 内閣官房長官じゃないんだぜ、東京都知事だよ」と。それほどまでに東京都の力は大きく、その長となる都知事の影響力は多大です。都議会で東京都知事と対峙する存在が、都議会議員になります。知事が権力をもっていますが、その権力が暴走しないようにチェックをするというのが議会の存在意義です。「二元代表制」という言葉をつかうのですが、知事vs議会という構図がお互いに良い緊張関係を築いて、良い政治を行ってくれるだろうというものです。で、その都議会を構成する都議会議員の定数は127人です。つまりその選挙で選ばれる都議会議員は、127分の1人。これと比較して都知事のチカラを表現するならば、「知事:都議会議員=127:1」とも言われています。都民の代表である都議会議員の頂点に立ち、強大な権力をもてるただ一人を選ぶ、そんな東京都知事選挙が今行われているのです。