金子恵美が解説する「都知事選の意味」投票前に知っておきたいこと
都知事選のキーマンって?
さて、今回は50名を超える立候補者がいるのですが、私の目から見ると実質の一騎打ちだと思います。そこにもう一人キーマンが参戦しているという構図だと思います。本来であれば50人超全員のことについて言及すべきなのでしょうが、まあ、ご容赦ください。もしもご興味がある方は政見放送で各候補の訴えが流れますのでご覧いただければと思います。ただ、今回は政見放送も11時間かかると言われています(苦笑)。 それでは私が注目している3人の候補者について、50音順に分析していきましょう。 エントリーNO.1:石丸伸二氏 2020年から2024年まで広島県安芸高田市の市長を務め今回の立候補に至っています。石丸氏は広島県安芸高田市で生まれ、京都大学経済学部を卒業後、三菱UFJ銀行に入行しました。銀行では、主に企画部に配属され、ニューヨーク支店での勤務経験も。銀行員としてエリートコースを歩んでいたものの、地元のために貢献したいという強い思いから、2020年に安芸高田市長選に立候補し、当選しました。市長就任後、石丸氏は市政改革に取り組みましたが、議会との対立がしばしば報じられました。特に、市議会との緊張関係を巡る彼の動画配信が注目を集めました。石丸氏は市の財政再建や地域活性化に向けた政策を推進したと言われています(明確な成果については私のリサーチの結果では出てきませんでした)。そして今回、突如として立候補を表明しました。この決断には「若い世代による政治への参画の必要性」や、「地方の知恵を東京に持ち込むという意図」が込められているそうです。東京一極集中の是正を掲げていましたが、都知事になってそれを進めることについて、都民から賛同が得られるかどうか注目したいです。というのも、都民からしてみるとシンプルに考えて、自分たちのメリットを地方に分散させることになるからです。その戦略が都民に支持されるかが大きなハードルとなることでしょう。 エントリーNO.2:小池百合子氏 皆様ご存知の現職の都知事です。1992年、初めて衆議院議員に当選。その後、衆議院と参議院の両方で議員を務めました。複数の政党に所属した経験があり、日本新党、新進党、自由党、保守党、自由民主党(自民党)といった主要な政党で活動してきました。2003年から2006年まで、小泉純一郎内閣で環境大臣を務め、環境保護政策を推進しました。「クールビズ」の生みの親として有名です。また、2007年には、短期間ながら日本初の女性防衛大臣に就任しました。2016年7月、無所属で東京都知事選挙に立候補し、当選。女性として初めて東京都知事に就任しました。2020年には再選。その間に、東京オリンピック・パラリンピックの開催、新型コロナウイルスの対応など、多くの分野でリーダーシップを発揮してきました。子供、子育て支援にも尽力してこられ、とりわけ待機児童問題も解消(97%減)の実現は高く評価されています。また、国会議員時代から熱心に取り組んでこられた無電柱化(電柱を地下に埋める。電線を地下に通すということ)は、環状七号線の圏内の都道については実現しています。そして何といっても忘れられないのは、知事になってすぐに切り込んだ「政党復活予算」のカットです。毎年、都議会が使える200億円という謎の予算がありまして、それを小池知事は議会と対立して200億円をきっちりカットしたのです。自民党都議団を中心にかなりの反発があったのですが、断行した小池都知事の真骨頂ともいえるでしょう。