浸水の車から親子を絶対助け出す! 沼津署警察官 使命に燃えた救出劇 11月の大雨、冠水のアンダーパス
低気圧や前線の影響で激しい雨が降った11月上旬。冠水した沼津市中心部の通称「三つ目ガード」で、車に閉じ込められた親子を助けようと警察官による救出劇があった。 沼津署地域課巡査部長の広住育久さん(36)は2日午後7時ごろ、「ガードが冠水している」との通報を受け、現場に急行。ガード内では既に4台の乗用車が立ち往生し、最も深く浸水した車道にいた軽乗用車内では、60代母と30代娘が水圧で自ら脱出できない状態だった。 消防の救助隊が向かっていたが、車の後部が浮いていることに気づいた広住さんは、水が少しでも車内に入ると車が沈むと判断。防刃衣などを外して身軽になり、道路上の歩道から深さ165センチほど冠水した車道に入り、後部座席のガラスを警棒で割ってドアをこじ開け、娘を助け出した。直後に水が一気に入り車が沈み、運転席にいた母親を見失ったが、なんとか手探りで見つけて救助。救助隊に引き渡し、親子は一命を取り留めた。 このほど、広住さんは県警本部長から表彰を受けた。「自分がやらないと、目の前で見殺しにしてしまうと思った」と当時を振り返り、「警察官である以上、市民を守るのは職務。無事で良かった」とほほえんだ。
静岡新聞社