アマ13冠の堤駿斗がメインの大役「最高の勝利で締めくくる」井岡一翔の世界戦中止で
アマ13冠のホープでプロボクシングWBA世界スーパーフェザー級8位の堤駿斗(25=志成)が、31日に東京・大田区総合体育館で行われる大みそか興行の主役になった。 メインイベントに予定されていた元世界4階級制覇王者でWBA世界スーパーフライ級6位の井岡一翔(35=志成)が同級王者フェルナンド・マルティネス(33=アルゼンチン)に挑む世界戦が、王者のインフルエンザ感染で前日の30日に中止になった。これによりセミファイナルで予定されていた堤と元王者で同14位レネ・アルバラード(35=ニカラグア)のWBA世界スーパーフェザー級挑戦者決定戦が急きょメインイベントに昇格した。 30日の計量後に会見に臨んだ堤は「(メイン昇格を)聞いたのは今朝、さっきのことで、まだ混乱している。この大きな大会をメインイベントでアルバラード選手と戦えるのは本当に光栄なこと。24年最後の試合を勝利で締めくくりたい」と、緊張気味に抱負を口にした。 同門の先輩で同じチームで一緒にトレーニングを積んできた井岡からは、世界戦が中止になった後に「自分のことに集中して」と言われたという。「カズさん(井岡一翔)が一番悔しいと思います。(その思いを)背負うなんて自分なんかにはできない。ずっとチームで勝つという気持ちがあった」と、複雑な心境も吐露した。 堤はプロ5戦目となった4月のフェザー級10回戦の前日計量で1・6キロも体重超過。試合には勝ったものの、6カ月のライセンス停止処分を受けた。処分明けのこの試合は1階級上げての初戦でもある。 「ここまで体調を崩すことなく、スパーリングでも力がわいてくる感じが最後まであった。1・8キロの差を感じている。相手のパワーも上がるが、自分にはプラスになっている。適性階級だと実感している。アルバラード選手は元世界王者で強い選手とばかり戦ってきた本当に強い選手。最高の試合ができるんじゃないかと思う。今から試合が楽しみです」と、突然の大役に自信をにじませた。【首藤正徳】