卵の賞味期限はどのくらい? いつまで食べて大丈夫? 見分け方と長持ちする保管方法を専門家が解説
卵はオムレツやゆで卵、焼き菓子、卵かけご飯など、使い道が幅広い食材。私たちの食生活に欠かせない食材の一つだ。さらに卵は、非常に長持ちするので、保存しやすい食品でもある。とはいっても、いつまで食べられる? 賞味期限が過ぎても食べていい? 【写真】「調理済みの卵」の賞味期限は? そんな疑問に、日本卵業協会の事務局長である小坂裕一さんが答えてくれた。
卵の賞味期限はどれくらい?
「日本ではパック詰めをしてから2週間程度の賞味期限がついている卵が一般的です。実は、卵は実際の賞味期限より短めに設定されています。 卵が食べられる期間は、保存状態・環境で大きく異なります。鶏卵の場合、食中毒と言えばサルモネラ菌が原因の場合がほとんどですが、そのサルモネラ菌が万が一卵の中にいたとしても、一定期間は繁殖が少なく、健康被害に至りません。その期間内に賞味期限を設定しているんです」 ▼賞味期限が切れた卵は食べられる? このサルモネラ菌が急激に繁殖をはじめるまでの日数は、保存温度で決まるという。「英国の学者の名前を取ってハンフリーの理論と言われ、下記の計算式を用いて算出します」 【計算式】 D=86.939 - 4.109T + 0.048T² (D:菌の急激な増殖までの日数 T:保存温度) 「このDの日数に、7日間の冷蔵庫での保管日数を足したものが賞味期限の目安です。たとえば、保存温度が28℃なら16日間、10℃なら57日間となります。 10度以下で保存してあれば、 実際は長い賞味期限の設定も可能です。しかし、気温の変化や、販売時・保管時の管理温度に差が出ることから、一般的には年間を通じて2週間(14日)前後で設定している鶏卵会社が多いです」
食べてはいけない"賞味期限が過ぎた卵"の見分け方
▼”不快な匂い”がする 「卵が食べられる期間は保管温度次第ですので、具体的な日数は言えません。しかし、卵は腐敗など、変質を始めるとたんぱく質の腐敗臭がひどく(それこそ腐った卵の臭い)すぐに分かります。とでもじゃないですが、食べようと思えないニオイがします。恐る恐る食べるようなものでもありませんので、賞味期限が切れてしまったらなるべく早く食べて下さい。その場合、サルモネラ菌は70℃以上の加熱を1分間すると死滅しますので、必ず加熱しましょう」 ちなみに、腐敗した卵は「水に浮く」とか「水滴がつく」などいわれることがあるが、一概に正しい見分け方法とはいえないそう。賞味期限が過ぎた卵が食べられるかどうかは必ず割ってみて、中身の状態を確認して判断しよう。 【冷蔵庫の中で卵を長持ちさせる方法は?】 冷蔵庫のどこに保存するかで、卵の持ちが大きく変わるという。 「卵は温度が常に変動しがちな冷蔵庫のドアポケットではなく、温度変化や衝撃の少ない棚に、パックのまま、尖がった方(鋭端)を下にして保管して下さい。 卵はパック詰めする際に、すべて殺菌作業がされています。そのため、できるだけ触らないようにすれば、菌の繁殖を防ぐことができます。冷蔵庫に備え付けの卵保管ケースなどは使用せず、ぜひパックのまま保管してください」